用語解説

「出所:ICガイドブック2003年版」
                                   禁無断転載
(アルファベット順,50音順)

数字 
              
          Y Z 
ア行 カ行 サ行 タ行 ナ行 ハ行 マ行 ヤ行 ラ行 ワ行

<閲覧にあたっての留意事項>
ここに記載されている用語は,ICガイドブック 2003年版の本文に関係した主な用語を補足説明したものです。
● 関連する団体名(略称含む)は,ICガイドブック 2003年版 pp.334-335の「関連団体一覧」をご参照下さい。
● パッケージ関係用語は,ICガイドブック 2003年版 パッケージ一覧(第2章,p.106)をご覧下さい。
● 内容によってICとLSI,半導体と半導体デバイスを同義語で使っている場合があります。
▽(指マーク)印は,参照用語項目を示しています。
→ 印は,関連用語項目を示しています。

[数字]    topへ

3次元回路素子
● three-dimensional circuit device
 平面的なLSIを立体的に積み重ねた構造の超高集積電子デバイス。最下層にまずLSIを作り,その上面に絶縁層を設け,その上にシリコン単結晶を成長させ,この結晶層に次のLSIを形成する。これを何層にも繰り返すとともに各層間の配線をつなぎ3次元回路を仕上げる。この技術を用いてCCDやMOS型撮像素子を集積した3次元デバイスが開発されている。


[A]    topへ

AAC
● advanced audio coding
 正式名はMPEG-2 AAC。映像圧縮規格MPEG-2やMPEG-4で使われるオーディオ圧縮方式の中の一方式で,BSデジタル放送の音声規格に採用されている。MPEG-1 MP3の70%程度のデータ量で音楽CDなみの音質を実現している。マルチチャネルによるサラウンド機能もある。
 →MP3,MPEG

A-D変換器
● analog to digital converter
 アナログ?デジタル変換器。A-Dコンバータともいう。アナログ?デジタル変換とは,アナログ信号をデジタル信号に変換することをいい,これを行う装置をA-D変換器という。A-D変換器はD-A変換器と共にデジタル機器に使用される。
 →D-A変換器

ALU
● arithmetic logical unit
 算術論理演算回路。マイクロコントローラ(MCU)やマイクロプロセッサ(MPU)を構成する部分の一つで加算,減算などの数値演算およびAND,OR,一致などの論理演算を行う。

ArFエキシマレーザ
● argon fluoride excimer laser
 ▽エキシマレーザ

ASCP
● application specific customer product
 ASICの一つ。特定顧客向けの特定用途IC。カスタムICともいう。これには,フルカスタムIC(LSI)とセミカスタムIC(LSI)がある。後者には,ゲートアレイ,スタンダードセルなどがある。一般的にASCPをASICと表現するケースが多い。
 →ASIC,ASSP,カスタムIC,ゲートアレイ,
  スタンダードセル

ASIC(エーシック)
● application specific integrated circuit
 特定用途向けIC。ASICの定義は多様である。広義のASICでは特定用途向けに専用機能をもつIC(ASCP,ASSP)をすべて含める。大規模なASICをシステムLSIという場合もある。一般には狭義に解釈する場合が多く,ユーザ固有の仕様をもつ専用ICを指し,ゲートアレイやスタンダードセル,PLDなどのICが代表的製品である。
 →ASCP,ASSP,PLD,汎用IC

ASSP
● application specific standard product
 ASICの一つ。特定用途向け専用標準IC。半導体メーカが主体となって設計・開発した,通信・AV・OAなどの各応用商品に特化した標準IC(LSI)として,複数ユーザを対象として販売するIC。
 →ASCP,ASIC

ATPG
● automatic test pattern generation
 ▽自動テストパターン生成

[B]    topへ

B/Bレシオ
● book-to-bill ratio
 出荷金額に対する受注金額の比率(B/B比)をいう。一般にWSTS(世界半導体市場統計)の統計データに基づいた半導体需給状況を示す指標として用いられていた。また米国市場のB/Bレシオ速報値は半導体市場動向の先行指標として使用されていた。米国市場の動きだけではグローバル化が進む半導体業界の実態をつかみきれないとの理由から,米国半導体工業会(SIA)は1996年をもってデータの収集を終了した。
 →WSTS

BGA
● ball grid array package
 表面実装型パッケージの一つ。プリント配線基板に表面実装できるように,パッケージ本体のベース(底)面に金属ボールまたは金属バンプを一定の間隔で格子状に並べて外部端子としたパッケージ。
 →バンプ

Bi-CMOS(バイシーモス)
● bipolar complementary metal-oxide-semiconductor(Bipolar-CMOS)
 CMOS(相補型金属酸化膜半導体)とバイポーラ・トランジスタのそれぞれの長所を組み合わせた半導体デバイス。CMOSは低消費電力,高集積に有利だが,出力電流が小さいのが欠点である。一方バイポーラ・トランジスタは動作速度が速いが,消費電力が大きい。そこで,デジタル信号処理を行う大規模な論理回路にCMOS技術を,高速または大出力が必要な部分にバイポーラ技術を使ったIC。 
 →ミックスドシグナル

BIST(ビスト)
● built-in self-test
 組み込み自己テストともいう。LSI内部にテストを行う機能を取り込んでいるため,LSI内でテストパターンを発生させ出力判定が可能となる。高速・多ピンデバイスのテストとコアベース設計のテストに使用される。
 →テスト容易化設計

Bluetooth(ブルートゥース)
● Bluetooth
 2.54GHzの帯域を使う携帯情報機器向けの短距離無線技術。双方向で最大伝送速度は1Mbps(ビット/秒)。実効データ伝送速度は非対称伝送方式が721kbpsと57.6kbpsで,対称伝送方式が両方向とも432.6kbpsである。通信距離は10cm?10m。スペクトラム拡散通信の周波数ホッピング方式(SS-FH)を使う。

BOPS(ボップス)
● billion operation per second
 デジタル信号処理を行うプロセッサなどの性能指標に用いられる単位。1秒間に実行できる処理の基本単位の数を示す。billion=10億。
 →MIPS,MOPS

[C]    topへ

CAD(キャド)
● computer aided design
 コンピュータを利用した設計システム。IC,特にLSIの最適設計をコンピュータの支援によって効率よく進める技術をいう場合は,EDA(Electronic Design Automation)ともいう。論理シミュレーション,回路解析,デバイス解析,配置・配線設計,マスク・パターン作成,テストパターン作成などの各ステップでCAD(EDAツール)が使われる。システムLSI(SoC)のような大規模,複雑なLSIの開発に欠くことができないシステムであり,設計全自動化の方向に技術開発が進められている。
 →CAE,CAM,EDA

CAE
● computer aided engineering
 コンピュータの支援によって設計を行う手法,技術。CADとほぼ同一の意味で使用される。 
 →CAD,CAM,EDA

CAM(キャム)
● computer aided manufacturing
 コンピュータの支援によってシステム(機器)製造の生産性・信頼性を高める自動化技術。CADによって数値化されたマスタデータとテストデータによって製造におけるプロセスデータを設定し実行させる。CADとCAMはお互いに密接な関連があり,設計から製造まで一貫したコンピュータ利用システムとする場合にはCAD/CAMと続ける。
 →CAD,CAE,EDA

CB-IC
● cell based integrated circuit
 ▽セルベースIC

CCD
● charge coupled device
 電荷結合素子。シリコン基板表面の酸化膜上に多数の転送電極が配列されたMOS構造のデバイスで,自己走査機能と記憶機能をもつ。フォトダイオードと組み合わせたエリアセンサ(固体撮像素子),リニアセンサおよび信号遅延素子などの製品がある。

CDMA
● code division multiple access
 スペクトラム拡散技術によって,同じ周波数帯域の信号を使って複数の通信を同時に行う技術。第3世代携帯電話の標準方式。スペクトラム拡散では,送信側ではデジタル符号化した音声信号を疑似雑音(PN)符号という高速度のデータで演算処理をして,広い周波数スペクトラムの信号に変換して送る。受信側では同じPN符号を使って元の音声信号を復元する。従来の携帯電話の多重化方式であるFDMA(周波数分割多元接続)やTDMA(時分割多元接続)よりも同じ周波数帯域で多くのチャネルを多重化できる。
 →TDMA,W-CDMA

CIM(シム)
● computer integrated manufacturing
 コンピュータ統合生産システム。生産に関わる情報全てをコンピュータ・ネットワークおよびデータベースを用いて,制御・管理などを行うことで生産最適化を図るシステム。

CISC(シスク)
● complex instruction set computer
 複合命令セット・コンピュータ。ソフトウエアの継承性を重視してソフトウエア制作を簡単化するために複雑な命令セットを多くもち,機能や命令をハードウエアで実行させるようにしたコンピュータ(MPU)。コンピュータの上位互換性に有利である一方,使用頻度の低い複雑な命令により命令実行の向上が阻害される面もある。パソコンなどの汎用MPUの主流となっている。
 →RISC,VLIW

CMOS(シーモス)
● complementary metal-oxide-semiconductor
 相補型MOSともいう。nMOS FETとpMOS FETの両方を対にして相補型回路を構成したMOSデバイス。低消費電力で動作電圧範囲が広く対雑音特性にも優れている。現在,LSIのほとんどがCMOSとなっている。

CMOS標準ロジック
● CMOS standard logic
 TTL(transistor transistor logic)と同じように品種も豊富で広く使用されているCMOSのロジックICファミリ。この汎用ファミリには,NANDやNORのようなゲート,フリップ・フロップなどの品種がある。また,バイポーラ高速ロジックICに匹敵するような高速CMOS標準ロジックも商品化されている。

CMP
● chemical mechanical polishing
 化学的機械的研磨。ウェハ表面の平坦化,プラズマエッチングやRIE(reactive ion etching)などの材料除去プロセスに使われる。また,銅のデュアルダマシン法による配線作成などにも使われる。物理的な研磨だけによるシリコン・ウェハへの損傷を低減するために化学的反応も用いる。ウェハ・プロセス技術が設計ルール0.35μm以下になり,ウェハ表面平坦化要求が以前にまして厳しくなっている。これら要求に対応していろいろなCMPシステムが市場にでてきている。平坦化技術という意味でchemical mechanical planarizationとする場合もある。
 →RIE,ダマシン,平坦化技術

CODEC
● coder decoder
 ▽コーデック

COP
● crystal originated particle
 シリコン結晶欠陥の一つ。シリコン単結晶において格子点のシリコン原子がない個所,すなわち「空孔」が集まった微小な欠陥。微細化が進むにともない,完全結晶の必要性が求められている。

CPU
● central processing unit
 中央演算処理装置。マイクロプロセッサ/マイクロコントローラにおける中枢部分で,プログラムメモリ(ROM)から命令を読み出し,その命令に従って実行するために必要なメモリあるいはI/O(入出力回路)などとのデータ転送や算術・論理演算を行ったり,演算結果を判断してプログラムのフロー制御を行う。一般的にCPUは,データ,命令,さまざまなステータスをストアするレジスタ,プログラムカウンタやスタックポインタなどの専用レジスタ,インストラクションデコーダ,演算を実行するALU,アキュムレータなどからなる。
 →MPU

CS
● commercial sample
 ▽コマーシャルサンプル
 →ES

CSP
● chip scale package,chip size package
 半導体チップサイズとほぼ同等の外形サイズのパッケージ。携帯機器に代表される小型軽量化を必要とするあらゆる電子機器の半導体パッケージとして使用される。現在提案されている主なCSP方式としてワイヤボンド型CSP,セラミック型CSP,スルーホール型CSP,μBGA型CSPなどがある。いずれも外部電極を底面にグリッド(格子)状に配置し,外形サイズを極力チップサイズに近づけるような構造になっている。
 →TAB

CVD
● chemical vapor deposition
 化学気相成長。ウェハ上に薄膜を形成する方法の一つ。配線として用いる多結晶シリコン,表面保護膜や絶縁膜として用いる酸化シリコン,窒化シリコン,PSG(phospho-silicate glass : リン化酸化膜ガラス)など,形成したい薄膜の構成元素をもった気体をウェハ上に流し,その表面で化学反応を起こさせて薄膜を形成する方法。CVDは現在のIC製造プロセスの主流となっている。?エネルギー源,?成膜圧力,?反応方式などで分類される。?には熱CVD法,光CVD法,プラズマCVD法,?には常圧CVD(AP-CVD),減圧CVD(LP-CVD),?には有機金属化学気相成長法(MO-CVD)などがある。
 →PVD,気相成長

C言語
● C language
 コンピュータ用プログラミング言語の一つ。
現在,OSで動くソフトウエアのほとんどはC言語でつくられている。1973年に米AT&T社のベル電話研究所で,UNIX(OSの一種)を記述するために開発された構造化プログラミング言語。

[D]    topへ

D-A変換器
● digital to analog converter
 デジタル?アナログ変換器。D-Aコンバータともいう。デジタル信号をアナログ信号に変換する回路,またはこれを行う装置をいう。たとえば,CDやMDにデジタル信号で記録されたデータをもとのアナログ信号(音声信号)に戻す場合に用いられる。
 →A-D変換器

DFT
● design for testability
 ▽テスト容易化設計

DIMM(ディム)
● dual in-line memory module
 DRAMなどを複数個,基板に実装したJEDEC規格のメモリモジュール。64ビット単位でデータの読み書きを行うため端子の数が多い。SIMM(single inline memory module)が表と裏の端子が結線されているのに対し,DIMMはそれぞれが独立している。
 →JEDEC,SIMM

DIP
● dual in-line package
 ICパッケージの一つ。リード線はパッケージの対向する両側面から出て,L字型に曲げられ下に真直ぐ伸びているタイプ。

DRAM(ディーラム)
● dynamic random access memory
 揮発性メモリの一つ。記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ。メモリセルはトランジスタ1個とキャパシタ(コンデンサ)1個で構成され,情報の記憶はキャパシタの電荷の有無によって行う。記憶している情報(電荷)がリーク(漏れ)電流によって時間の経過とともに消えるために一定時間ごとに情報を読み出して再度書き込みを行う必要がある。これをリフレッシュ動作という。また,電源を切ると記憶情報は消滅する。DRAMはSRAMに比べてメモリセルの面積が小さく実現できるため,大容量化や高集積化に適し,最も一般的な汎用メモリとして,コンピュータの主記憶装置,OA機器,パーソナルコンピュータからゲーム機器に至るまで広範囲に利用されている。
 →SRAM

DRC
● design rule check
 マスクデータ検証EDAソフトウエア。マスク設計基準(design rule)に対して,マスクレイアウト(マスクデータ)が違反,あるいは好ましくない個所の検出や確認に使用される。
 →EDA,設計基準

DSP
● digital signal processor
 乗算器を内蔵し,積和演算機能をもつデジタル信号処理専用の1チップ・マイクロプロセッサ。浮動小数点演算が可能であり,音声デジタル信号処理や動画像処理などに適している。利用範囲は,携帯電話機,AV機器(DVD,デジタル放送機器など)と広い。
 →浮動小数点

[E]    topへ

EB露光
● electron beam exposure
 ▽電子ビーム露光

EC
● electronic commerce
 電子商取引。個人や企業間をコンピュータ・ネットワークで結び,オンラインで行う商品のマーケティング・生産・販売・決済などをさす。ネットワーク上の商取引のため安全性の確保が非常に重要である。

ECA
● embedded cell array
 ▽エンベデッドセルアレイ

Echonet(エコーネット)
● Echonet
 Energy Conservation(エネルギー節約)and Homecare(在宅介護)Networkの頭文字をとったもの。日本の大手電機メーカなどが設立した「エコーネットコンソーシアム」が提唱する,家電機器の制御を行うための宅内ネットワーク規格。電力線,赤外線,Bluetooth,イーサネットなどの媒体が利用でき,通信回線と繋がったゲートウエイを介して住宅外からの機器制御が可能となる。
 →Bluetooth,イーサネット

ECL
● emitter coupled logic
 カレントモードロジック(CML)ともいう。バイポーラロジックICの一つ。ECLはトランジスタを非飽和領域で動作させるので非常に高速な論理動作が可能であるが,消費電力が大きい。大型コンピュータの論理演算部や高速メモリに使用される。

EDA
● electronic design automation
 電子回路設計用のCAD(computer aided design)。機械や建築などの設計で使われているCADと同じように,半導体デバイスやプリント基板などの設計にコンピュータを活用する。これを実現するためにさまざまなソフトウエアツールを提供するEDAベンダがある。
 →CAD,CAE

EDIF
● electronic design interchange format
 LSI設計の各設計工程結果を表現する標準言語。EIA(Electronic Industries Association)の責任の下に作成されており,LSIの回路図,ネットリスト,テストパターンなどを表現する。
 →ネットリスト

EDO
● extended data out
 DRAMのデータ入出力を高速にするメモリ動作モードの一つ。マイクロプロセッサの高速化に合わせてDRAMのデータ伝送速度を高速にする必要性が高まった。古くはページモード,スタティックコラムモードなどがある。4M?16MビットDRAMでEDOモードが採用され,100M?200Mバイト/秒のデータ伝送速度を実現した。16MビットDRAMからはシンクロナスDRAM(SDRAM)が採用され,データ伝送速度200M?600Mバイト/秒を実現した。64MビットDRAMではさらに高速なDRAMとしてSDRAMやラムバスDRAMなどが登場した。
 →ラムバスDRAM

EEPROM(イーイーピーロム)
● electrically erasable programmable read only memory
 E2PROM(イースクェアピーロム)ともいう。電気的に記憶内容の書き込みや消去が可能な不揮発性メモリ。消去のために紫外線が必要なEPROMと異なりボードに実装したまま書き換えができるので使いやすいのが特徴である。
 →EPROM

EL
● electroluminescence
 ▽エレクトロルミネッセンス

EMC
● electromagnetic compatibility
 電磁環境適合性。電子機器が雑音を発生して他の機器に妨害を与えたり,逆に他の機器による雑音のために誤動作したり,しないこと。他を妨害するものがEMI(電磁妨害)であり,外部雑音に対する強さがイミュニティ(耐雑音障害性)である。
 →EMI

EMI
● electromagnetic interference
 電磁妨害または電磁干渉。電子回路から導線を伝わる信号が電磁波となって空中に飛び出したり,電源ラインや接地ラインに信号が漏れたりする。これが他の電子回路に侵入して誤動作や障害を起こすこと。電子機器の性能に障害を与える電磁エネルギーのことをいう場合もある。
 →EMC

EPROM(イーピーロム)
● erasable and programmable read only memory
 記憶内容が電気的に書き込み可能で,紫外線を当てて消去が可能な不揮発性メモリ。プログラムの消去はICパッケージの石英ガラス窓を通して外部から紫外線を照射することによって行う。そのために記憶情報の消去は全ビット一括で行われる。EPROMを窓なしの通常パッケージに実装したものをOTPROM(one time PROM)という。
 →EEPROM

ES
● engineering sample
 ▽エンジニアリングサンプル
 →CS

EUV
● extreme ultra violet
 極端紫外線ともいう。光の中で紫より短い波長の光を紫外線と呼ぶ。紫外線には,明確な定義はないが,大気によって吸収されはじめる200nmから0.2nmの波長域を真空紫外(VUV)域,透明な固体結晶がなくなる105nm以下の波長域を極端紫外(EUV)域と呼ぶ。また,0.2?30nmを軟X線域とも呼び,X線域にも入る。EUVリソグラフィとは,波長13nmの極端紫外線を用いて縮小投影露光を行うもので,65nm以降の技術ノードをカバーする露光技術として期待されている。
 →リソグラフィ

[F]    topへ

F2エキシマレーザ
● fluorine excimer laser
 →エキシマレーザ

FeRAM(FRAM)(エフイーラム)
● ferroelectric random access memory
 FRAMともいう。強誘電体メモリまたは強誘電体不揮発性メモリ。強誘電体は電界を加えなくても電荷が残る自発分極という性質をもつ。FeRAMはこの原理を利用しメモリセルに強誘電体を使った不揮発性RAMで,SRAMやDRAMと異なり電源を切ってもデータ内容を保持できる。また,EEPROMと比較してデータの書き換え時間ははるかに短く,書き換え可能回数も桁違いに多いなどの利点をもっている。

FIB
● focused ion beam
 集束イオンビーム。イオンビームと試料の相互作用によって顕微鏡,加工(研磨),堆積(デポジション),イオン打ち込みなどの機能を実現する。イオン源にはガリウム(Ga)などがある。たとえば,ビーム径を5?10nmに集束させた装置は,フォトマスクのパターン修復やLSIの不良箇所の解析,高分解能観察,MEMSなどの微細加工などに利用されている。試料にイオンビームを照射すると試料が励起され2次電子を放出する。これを観察するのが顕微鏡(SIM:Scanning Ion Microscope)。またイオンビームのエネルギーで試料を削るのが加工。さらに試料に原料ガスを吹き付けながらイオンビームを照射すると局所的に原料ガスが分解反応して試料表面上に膜が堆積する。こういった機能を1台で実現する装置もある。
 →MEMS,イオン打ち込み,イオンビーム

FIFO(ファイフォ)
● first-in first-out
 先入れ先出し方式のこと。記憶装置などからデータを取り出すとき,最も古い情報から取り出す方式。これと反対の方式をLIFO(last-in first-out)という。

FIT(フィット)
● failure unit
 故障率の単位。109時間(約10万年)に1回,または10億個に1個/時の割合で不良が発生する確率。1FIT=10?9(件/時間)。

FLOPS(フロップス)
● floating-point operations per second
 1秒間に処理できる浮動小数点演算回数を示す単位。通常は100万回単位(MFLOPS)で示すことが多いが,10億回(GFLOPS)を単位にすることもある。
 →BOPS,MIPS,MOPS,浮動小数点

FOUP(フープ)
● front opening unified pod
 ウェハカセットの搬送・保管用のケース(ポッド)。「局所クリーン化技術」の一つ。SMIF(Standard of Mechanical Interface)がポッド内のウェハカセットの出し入れを上下に行うのに対して,FOUPは前後に出し入れする。またポッドとウェハキャリアを一体化し,ポッドの洗浄を軽減している。
 →SMIF,クリーンルーム

FPGA
● field programmable gate array
 大規模PLD。PLD(programmable logic device)の一つ。ユーザが手元でプログラム可能なセミカスタムIC。数千ゲートから数十万ゲート(システムゲート)のFPGA製品が発表されている。開発期間が短くできるので,試作品ばかりでなく,最終製品にも利用されている。基本的な構造は,プログラム可能な論理モジュールを規則的に並べ,その間に配線領域を用意し,各論理モジュールと配線領域をプログラムすることで,論理回路を実現する。プログラムの方法は,SRAMセル方式,EPROM方式,アンチフューズ(プログラムすることで導通する)方式,フラッシュEEPROMを内蔵した方式がある。
 →PLD

[G]    topへ

GaAs IC
● Gallium Arsenide integrated circuit
 ガリウムひ素(GaAs)単結晶を基板としたIC。GaAs(Gallium Arsenide)は,?-?族化合物半導体の代表的な材料で,結晶内の電子の動き(移動度:mobility)がシリコン(Si)に比べて5?6倍も速く,超高速・超高周波デバイスに適している。最近ではUHFやSHF用の高周波GaAs FET,マイクロ波アナログIC,赤外発光ダイオード,半導体レーザ,ホール素子,太陽電池などに用いられている。

GMR
● giant magnetoresistive
 巨大磁気抵抗効果。磁場をかけたときの電気抵抗変化(磁気抵抗効果MR)が従来の単体物質に比べて大きく変化することから命名された。基本構造は強磁性体?常磁性金属?強磁性体の多層膜。GMR素子は現行のHDDヘッドに広く使われ,HDDの大容量化に大きく貢献した。
 →MRAM,TMR

GSM
● global system for mobile communication
 ETSI(European Telecommunications Standard Institute:欧州電気通信標準化協会)が標準化した欧州全域で利用できるTDMA(時分割多元接続)方式のデジタル・セルラー電話システム。汎欧州デジタル移動電話方式という。利用者の国際的な移動の便宜を考慮した,国際ローミング機能やSIM(subscriber identity module)カードの導入といった特徴がある。このことが評価されて,アジアなどのヨーロッパ以外の地域でも普及が進んでいる。

g線ステッパ
● g-line stepper
 ▽ステッパ,リソグラフィ

[H]    topへ

HAVi(ハヴィ)
● home audio/video interoperability
 家庭内ネットワークに接続するAV機器のミドルウエア仕様。ネットワークにはIEEE1394が使われる。
 →IEEE1394

HDL
● hardware description language
 ▽ハードウエア記述言語

HEMT(ヘムト)
● high electron mobility transistor
 高電子移動度トランジスタ。ガリウムひ素(GaAs)などの化合物半導体をヘテロ接合(2種類の異なった半導体材料の接合)し,その接合面を電子が高速移動する性質を利用した超高速トランジスタ。ヘテロ接合には,ガリウムひ素とn型ガリウム・アルミニウム・ひ素(GaAlAs)が利用される。シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)などを使った半導体よりはるかに動作速度が速い。衛星放送受信機,携帯電話などの高周波増幅素子などに使われる。

High-k
● high-dielectric-constant film
 高誘電体膜。SiO2などに比べて非常に大きい誘電率をもつ誘電体薄膜である。比誘電率の大きい誘電体は,小型のキャパシタやメモリセルの構成に望まれている。しかし現在,半導体デバイス(IC)で利用されている誘電体膜であるSiO2は比誘電率が約4程度と小さい。これを解決するための研究開発が行われている。比誘電率が大きい材料には,二酸化チタン(TiO2),五酸化タンタル(Ta2O5)などがある。

[I]    topへ

IBIS(アイビス)
● input output buffer information specification
 半導体デバイスの入出力バッファの電気的特性を,パッケージの電気的特性を含めてモデル化したもの。基板設計のためのシミュレーション・モデル。個別の回路素子の特性と素子間の接続を表現するSPICEと異なり,IBISではバッファ回路をモデル化し,その動作特性をテーブルで表現しているため,半導体プロセス情報や内部回路の詳細を開示する必要がない。また,動作モデルを使用しているため,SPICEと比較して高速な解析を実行できる。
 →SPICE

ICE(アイス)
● in-circuit emulator
 マイクロコンピュータ・システムを開発するため,ソフトウエアのデバッグとハードウエアの動作確認を行う装置。MPUソケットに接続用コネクタを挿入し,MPUの機能をエミュレートさせて各種デバッグを行う。ブレーク・ポイント機能,アセンブル機能,逆アセンブル機能,トレース機能などをもつ。

ICカード
● IC(integrated circuit)card
 カードにICを埋め込んだもの。電気的な接点をもつ接触型と,接点のない非接触型がある。また,CPU(中央演算処理装置)を組み込んだ「スマートカード」や切手サイズのメモリ・カードなどがある。
 →PCMCIA

IDE
● intelligent drive(device)electronics,integrated
 drive(device)electronics
 主にPC AT互換機と内蔵ハードディスクをつなぐインタフェース。ATA(AT Attachment)ともいう。ANSI(米国規格協会)で1988年に,ATAとして規格化された。現在も,拡張され続けている規格である。IDEインタフェースは,40ピンのコネクタを通じてATバスに直結しており,パソコンのシステムBIOSから直接ハードディスクのコントローラチップを制御することで,データの読み書きを行う。

IEC
● International Electrotechnical Commission
 国際電気標準会議。電気・電子分野に関する国際規格統一を目的として設立された標準化団体。 その後IECは,ISO電気通信部門(ISO/IEC)となり,活動が行われている。
 →ISO

IEEE(アイトリプルイー)
● The Institute of Electrical and Electronics
  Engineers
 米国電気電子学会。電気,電子,通信,コンピュータなどの分野にまたがる技術者団体。電気電子分野の学会としては世界最大規模である。電子部品,通信用バス・コネクタ,LANなどを対象にした標準化活動も推進している。

IEEE1394
● IEEE1394
 音声や動画など連続的なデータの伝送に向くシリアル・インタフェース規格。非同期伝送方式をもつ。マルチメディア・データに向く。1995年にIEEE(米国電気電子学会)が正式に仕様を採択した。データ伝送速度は100Mbps(ビット/秒),200Mbps,400Mbps,800Mbpsがある。細くて柔軟なケーブルで高速な伝送が可能なうえ,電源も供給でき,ホット・プラグ(電源を入れたまま抜き差しできる)が可能となっている。
 →USB

IGBT
● insulated gate bipolar transistor
 パワーデバイス分野の代表的素子で,MOS FETとバイポーラ・トランジスタを組み合わせて1チップにした素子。絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタともいう。MOS FETでバイポーラ・トランジスタを制御する構造であるため,MOS FETの大電力制御などの両方の特長を兼ね備えており,汎用モータやインバータ制御機器,FA機器などのスイッチング素子として用いられる。

IIL
● integrated injection logic
 I2L(アイスクエアエル)ともいう。バイポーラロジックICの一つ。横型pnpトランジスタと逆接続のnpnトランジスタがn領域とp領域を共有した構造。ゲート占有面積が小さく,素子を分離する必要がないために比較的高集積化が可能である。アナログ・デジタル混在回路内蔵バイポーラICのデジタル部に使用することが多い。
 →アナデジLSI,ミックスドシグナル

IP
● intellectual property
 元来は,知的財産権の意味であるが,LSIを構成するために必要な機能ブロックをIP(設計資産)と呼ぶ。IPにはその機能ブロックのハードウエア(論理回路図,LSIレイアウト図など),およびソフトウエア(ドライバ・ソフトウエア,ファームウエア,ミドルウエアなど)がある。ハードウエア回路を「半導体IP」,ミドルウエアなどのIPを「ソフトウエアIP」ということもある。代表的なIPとしては,CPU,DSP,通信機能部,AV機能部,メモリ機能部,入出力機能部などがある。この既設計で,動作が確認されている回路ブロック(半導体IP)を再利用すると,新たに回路を設計するよりも効率的で設計期間が短縮できる。このIPを流通させようという動きが国際的に活発になっている。しかし,実際に流通しているIPを利用するには,自社のLSI製造プロセスに適合するか,部分的に修正が容易かなどクリアすべき課題も多い。
 →IPプロバイダ,VCX

IP
● internet protocol
 インターネットプロトコル。インターネット接続用の通信規約。

IPv6
● internet protocol version 6
 インターネット上の存在するコンピュータなどの場所を示す「IPアドレス」の次世代仕様として期待されている技術。現在IPアドレスは,「123.123.213.12」といった数字の羅列(32ビット)で住所を表記するIPv4(internet protocol version 4)が使われている。しかし,ここ数年の急激なインターネットの普及で,2010年頃までにIPアドレスが不足するという問題が表面化してきた。この危機を救う技術として注目されているのがIPv6である。IPv6は,IPアドレスの桁数を128ビットに増やしてより多くの住所(アドレス)をインターネット上に割り振れるようにしたもの。これによって,IPv6を利用したインターネット空間は実質的に無限に広がると言われている。すなわち,IPv4の1029倍ものアドレスが利用可能となる。ネット家電もIPv6を使用する機器として注目されている。

IPプロバイダ
● IP provider
 半導体IP(intellectual property :設計資産)の設計だけを専門に行い,これをLSIメーカなどへ供給する業態の企業。これまで,多くのLSIメーカではコア(回路ブロック)の設計から配線・配置などの設計,試作,量産といったLSI開発の流れのすべてを,1社で一貫して行っていた。しかし,システムLSIの時代を迎えた現在では,さまざまな機能を高密度で集積したLSIを短期間に,しかも低コストで開発することが求められる。このため,IPプロバイダのような,LSIの開発の特定の工程を専門に手掛ける企業が登場しており,水平分業体制に移行している。
 →IP

IrDA
● Infrared Data Association
 ノートパソコンや携帯情報端末の間で,赤外線を使ってデータをシリアル伝送するために開発された通信規格。赤外線によるデータ通信方式の標準化を目的に設立された民間の標準化団体の名称がそのまま規格名称になっている。

ISM
● industrial scientific and medical equipment band
 産業科学医療用機器のための周波数帯域(バンド)。国際的には13.553?13.567MHZ,26.957?27.283MHZ,40.660?40.700MHZ,2.400?2.500GHZ,5.725?5.875GHZ,24?24.25GHZがISMの共通バンドと指定されている。周波数帯や使用に関しては各国が独自に管理・認証を行っている。空中線電力が小さい無線設備(特定小電力無線局)の場合,日本ではTELEC(財団法人テレコムエンジニアリングセンター。旧財団法人無線設備検査検定協会)の技術基準適合証明を取得すれば無線局免許を必要とせず,だれでもが使用できる。Bluetooth(2.4GHZ帯)や無線LAN(2.4GHZ,5.2GHZ帯)もこのバンドを使う。

ISO
● International Organization for Standardization
 国際標準化機構。国際的標準化を推進する代表的な国際機関の一つで,設立は1947年。商品とサービスの国際交流を容易にし,知識・科学・技術・経済に関する活動における国際協力を高めるため,世界標準の開発とこれに関する活動を推進させることを目的とした組織である。

ITRS
● International Technology Roadmap for
  Semiconductors
 国際半導体技術ロードマップ。日米欧韓台の代表が集まり,将来の半導体技術見通しに関する情報や目標実現のための課題などについての検討が行われている。日本では,1998年にEIAJ(現JEITA)において組織化された。
 →STRJ

ITS
● intelligent transport system
 高度道路交通システム。道路交通の情報化によって,安全,円滑,そして人と環境にやさしい道路交通を目指す。その技術の基本は自動車とインフラ側との対話による双方向通信である。すでにカーナビゲーションが登場しているが最終的には自動運転を目標としている。代表例として,自動車に直接情報を送る道路交通情報提供システム(VICS),有料道路での自動料金収受システム(ETC),自動運転システムが挙げられる。

i線ステッパ
● i-line stepper
 ▽ステッパ,リソグラフィ

[J]    topへ

Java(ジャバ)
● Java
 1995年,米サン・マイクロシステムズ社がC++をベースとして開発したオブジェクト指向型プログラミング言語。特徴は,Javaで作成したプログラムが,WindowsやMac OSといった特定のOSやパソコンの機種に依存することなく実行できること。プログラムのソース・コードは機種に依存しないが,実行するためにはインタープリタ(Java virtual machine)が必要となる。

JEDEC(ジェデック)
● Joint Electron Device Engineering Council
 電子デバイス技術合同協議会。米国におけるユーザとメーカが合同でICなどの電子デバイスの統一規格(用語,製品の特性や動作,テスト方法,信頼性,パッケージなど)を討議し,標準化を推進する業界団体。

Jini(ジニ)
● Java intelligent network infrastructure
 家庭内ネットワークの通信仕様。Javaで作成したプログラム(Javaオブジェクト)を実装したAV機器やパソコン間が容易に接続できる。

JPEG(ジェイペグ)
● Joint Photographic coding Experts Group
 画像圧縮の国際標準方式。現在のデジタルカメラのほとんどは,記録画像のファイル形式にJPEGを使用している。符号化アルゴリズムにはADCT(適応離散コサイン変換)を用い,最初に解像度の低い画像を符号化し,次第に解像度が高くなるような階層符号化も取り入れられる。すなわち,画像を空間周波数列に分解して画像の印象として重要な部分(低周波)を残し,圧縮率に応じてそれほど重要でない部分(高周波)を切り捨てる。このため,圧縮率を高くすると輪郭線がぼやけていく。実際には,圧縮を効率化するために画像全体をいくつかのブロックに分けて,ブロック単位圧縮を行う。もともとはカラー静止画像の符号化方式の標準化を進めているISO(国際標準化機構)とITU-T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の合同組織の名称。またはこの組織が制定したカラー静止画像の符号化方式を表わす。
 →MPEG

[K]    topへ

KrFエキシマレーザ
● krypton fluoride excimer laser
 ▽エキシマレーザ

[L]    topへ

LAN(ラン)
● local area network
 同一建物内,あるいは同一敷地内などの比較的狭い地域に分散設置されたサーバやワークステーション(WS),パソコンなどの各種コンピュータを結ぶ構内ネットワーク・システム。伝送路,トランシーバ部およびコントローラ部などから構成されている。イーサネット,トークン・リング,FDDIの3種類の規格に準拠した製品が主流となっている。最近では,伝送路にケーブルを使用しない無線LANも使用されている。
 →WAN,無線LAN

LCD
● liquid crystal display
 ▽液晶

LOCOS(ロコス)
● local oxidization of silicon
 シリコンIC内の素子間分離に使われる局所酸化膜技術。窒化膜(Si3N4)でIC素子を作る領域を覆い,高温酸化処理をすると,窒化膜のない領域に酸化膜が作られる。この酸化膜がLOCOSと呼ばれ,隣接素子間の分離に使用される。LOCOS工程によって素子間の距離を短くでき,高集積化に非常に有効な技術である。

Low-k
● low dielectric constant film
 低誘電率膜。ICで最も広く用いられている絶縁膜である二酸化シリコン(SiO2,比誘電率が約4)より低い比誘電率をもつ膜の総称。多層配線による信号遅延の問題を避けるため,層間絶縁膜として,有機物やポーラス(多孔質)材料まで含めてさまざまな材料,薄膜が開発されている。

LVDS
● low voltage differential signaling
 差動伝送を行うインタフェース技術。RS-622準拠。雑音に強く,電圧振幅が小さいので高速伝送が可能になる。通常のシールド銅線で,4Gビット/秒の超高速データが10mまで伝送可能である。また,伝送する電圧も小さいのでEMIの発生が少なく,周辺の回路に妨害を与えない。多目的に利用できるように,電気特性だけを定義し,プロトコルやケーブルなどは定義していない。基本的には,1.2Vに対して350mVの振幅を定義し,この両信号の差動を伝送する。電圧振幅は300mV(=0.3V)である。高解像度LCDディスプレイ,プリンタ/コピー機,ルータ/スイッチ用テレコムケーブル,携帯電話の基地局バックプレーンなどに利用されている。

LVS
● layout versus schematic
 レイアウト対スケマティック(回路)検証。半導体集積回路の回路およびマスク設計工程における設計確認用ツールを指す。LVSは設計された入力回路図とマスクレイアウトとを信号名などによる検証(照合確認)を行い,マスク設計工程での完成度向上を目指す。

[M]    topへ

MCM
● multi-chip module
 同一基板上に2個以上のLSIが実装され,そのうち少なくとも1個はベアチップを使用した機能モジュール。

MCP
● multi chip package
 一つのパッケージに複数のICチップを搭載したパッケージ。異なる種類のチップや,同種のチップを搭載することによって,実装面積の削減が可能となり,デバイスの大容量化や高機能化が実現できる。

MCU
● microcontroller unit
 1チップ上に中央演算処理装置(CPU),RAM,ROM,I/Oインタフェース回路などを集積したものでマイクロコンピュータの働きをする。“シングルチップマイクロコンピュータ”あるいは“マイクロコントローラ”ともいう。用途は主に組み込み型のコントローラとして,さまざまな電子機器に内蔵される。4ビットから32ビットまでの幅広いMCUが製品化されている。
 →CPU,MPU

MEMS(メムス)
● micro electro-mechanical system
 マイクロマシンともいう。微細加工により作製されたマイクロセンサやマイクロアクチュエータ,およびこれらを集積化した微小システムのことをいう。
 →マイクロマシン

MIPS(ミップス)
● million instruction per second
 コンピュータやマイクロプロセッサの性能を表す単位。1秒当たりの命令実行回数を100万回の単位で表現したもの。メインフレームやミニコンなどとマイクロプロセッサ(チップ)とでは命令の定義が異なる場合があるので注意を要する。
 →BOPS,FLOPS,MOPS

MMIC
● monolithic microwave integrated circuits
 モノリシックマイクロ波集積回路。マイクロ波能動・受動素子および素子間を結ぶ配線をガリウムひ素(GaAs)やシリコン(Si)などの半導体基板上に集積化したもの。能動素子としては,主にGaAs MESFET(ショットキーゲート電界効果トランジスタ),HEMT(高電子移動度トランジスタ)およびHBT(ヘテロ接合バイポーラ・トランジスタ)が使われる。これによって,回路の小型化,低コスト化,高信頼性化がもたらされた。
 →HEMT,GaAs IC

MOPS(モップス)
● million operation per second
 デジタル信号処理を行うプロセッサなどの性能指標に用いられる単位。1秒間に実行できる処理の基本単位の数を示す。million=100万。
 →BOPS,MIPS

MOS(モス)
● metal-oxide-semiconductor
 金属酸化膜半導体。シリコン基板などの半導体表面に酸化膜を介して金属を付けた構造をもつデバイス。金属?酸化膜?半導体の構造をとる。ソースからドレインに移動するキャリアの量(ソースとドレイン間のチャネル電流)を,絶縁体を介してゲート電圧で制御する。MOS構造はそのまま容量(キャパシタ)として使うこともあるが,MOS ICの基本トランジスタとして重要である。

MOS FET
● MOS field effect transistor
 MOS型電界効果トランジスタ。ソース・ゲート・ドレインの3電極があり,ゲート電極に加えた電圧によってソースとドレイン間のチャネル電流を制御する。MOS FETにはnMOS FETとpMOS FETの2種類がある。バイポーラ・トランジスタに比べてチップ内のデバイス占有面積が小さく,製造工程が短いので高集積化に適している。また,入力インピーダンスが高く,構造が簡単であるため高集積化に適している。

MP3
● MPEG-1 Audio Layer V
 動画・音声の圧縮技術であるMPEG-1の音声圧縮技術のうち,圧縮率が一番高いもの。インターネット上での音楽CDのデータを配布するための利用が増えている。CDなみの音質を聴感上の劣化がないように圧縮する場合,圧縮率は約1/10,最高で約1/12。MP3符号化/復号化のために,フリーソフトやシェアウエアが配布されている。
 →MPEG

MPEG(エムペグ)
● Moving Picture Experts Group
 カラー動画像蓄積用符号化方式の標準化作業を進める組織,またはその規格の通称。MPEGはISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)が共同で作業を進めるJTC1(情報処理関連国際標準化技術委員会)の下部組織として,1988年から活動を開始した。動画伝送時の伝送レートで,MPEG-1,MPEG-2,MPEG-4がある。標準化の範囲には,動画像圧縮方式だけでなく,オーディオ(音)の符号化,動画像とオーディオの多重・同期を扱うシステム仕様も含まれる。「MPEG-1」は伝送速度が1.5Mbps(ビット/秒)以下の圧縮と復元技術で1991年に制定され,ビデオCDなどで利用されている。「MPEG-2」は伝送速度が3Mbps?60Mbpsで1993年に制定された。DVDやデジタル衛星放送など高画質用途に利用されている。「MPEG-4」は伝送速度が数M?数十Mビット/秒の広い範囲を対象としており,伝送速度が数Mbpsの規格は第3世代のデジタル携帯電話など主に移動通信に用いられる(MPEG-3はMPEG-2に吸収)。画質レベルなどによってMP@ML(メイン・プロファイル/メイン・レベル)などがある。これはDVD-VIDEOやデジタル放送に活用されている。このほか画像データベース化を目的とした「MPEG-7」もある(MPEG-5とMPEG-6は欠番)。
 →JPEG

MPU
● microprocessor unit
 マイクロCPUあるいはマイクロプロセッサともいう。マイクロコンピュータの中央演算処理装置(CPU)をLSI化したもので,演算や制御機能をもつ。16ビットマイクロプロセッサの例のように並列処理するビット数を付けてよぶ。8ビット,16ビット,32ビット,64ビットマイクロプロセッサなどがあり,最近は128ビットも製品化されている。MPUには,命令方式によりCISC(複雑命令セットコンピュータ)とRISC(縮小命令セットコンピュータ)に分類される。MPUはエレクトロニクス機器に広く使用されている。 
 →CPU,CISC,RISC

MRAM(エムラム)
● magnetic random access memory
 磁気不揮発性メモリ。磁気抵抗効果をもつGMR(giant magnetoresistive:巨大磁気抵抗効果)膜やTMR(tunnel magnetoresistive:トンネル型磁気抵抗効果)膜を記憶素子に用いた不揮発性メモリ。現在,TMR膜のほうがより大容量の半導体メモリに適しているとされている。GMRやTMR膜は,スイッチング磁界によって電気抵抗値が大きく変化する現象を示す。この現象を利用して,電流の切り替えにより発生する磁界をスイッチすることで“0”,“1”の状態を実現する。MOS FETと組み合わせてメモリセルを構成する。
 →GMR,TMR

MTBF
● mean time between failure
 平均故障間隔。故障するまでの動作時間の平均をいい,総動作時間をその期間の総故障数で割った値で示す。機器や電子部品の信頼性を表す尺度の一つで,この値が大きいほど,製品の信頼性は高いといえる。故障率はこの値の逆数になる。

MTTF
● mean time to failure
 平均故障寿命。修理しない機器や電子部品の故障までの動作平均値をいう。

[N]    topへ

nMOS(エヌモス)
● n-channel MOS
 n型(nチャンネル)MOS EFTの略称。基板がp型で構成され,ソースとドレイン部がn型に作られたMOSデバイス。ソースとドレイン間のチャネル電流が電子(エレクトロン)によって運ばれるので,pMOSより高速である。
 →MOS,pMOS

[O]    topへ

OEIC
● opto electronic integrated circuit
 光電子集積回路。光素子と電子素子を同一基板に集積したIC。半導体材料で作られたモノリシック回路であり,一つ以上の発光素子あるいは受光素子と,電気信号を処理する回路を集積したもの,またはこれらの3者を集積したものを指す。シリコン(Si)基板上にフォトダイオードと信号処理回路を集積したCCDチップなども含まれる。しかし,一般にはガリウムひ素(GaAs)あるいはインジウムリン(InP)基板を使ったものをOEICということが多い。主に光ファイバ通信の送信用,受信用,中継器用あるいは光ディスク用半導体レーザモジュール(駆動回路内蔵)などがある。

OTP
● one time program ROM
 ワンタイムPROM(OTP)という。一度しか書き込みができないタイプのプログラマブルROM。マイクロコントローラにおけるプログラムROMへの書き込みは,従来マスクROMタイプだけであったが,ユーザがROMライタ/専用ライタで簡単に書き込めることから,プログラム開発からフィールドテストに至るまで,必要不可欠なツールとなっている。使用方法としては,デバッグ用,試作用が主であるが,フィールドサンプルや量産立ち上げにも使用されている。
 →EEPROM,EPROM,PROM

[P]    topへ

PCM
● pulse code modulation
 パルス符号変調。パルス変調の一方法。音声信号等の波形振幅(アナログ量)をサンプリングし,それぞれのサンプル値を2進数表現の時系列で波形を表わすデジタル表現である。現在はその発展形として,各サンプル値の差異に着目して波形を表現するADPCM(adaptive differential pulse code modulation:適応型差分パルス符合変調)方式がある。

PCMCIA
● Personal Computer Memory Card International     
 Association
 米国のICメモリ・カード推進団体をさすが,その規格の通称としても使われる。日本の日本電子工業振興協会(JEIDA:Japan Electronic Industry Development Association。現JEITA)と協議し共通の規格作成を行っている。現在主流になっているJEIDA4.2/PCMCIA2.1のPCカードはデータ幅が16ビット,バスクロックが8MHzなのでデータ伝送速度は最大16Mbpsと低速である。最近では,高速対応の新規格「Card Bus」に準拠したPCカードの開発が活発になっている。Card BusはPCカードをノートパソコン内部のPCIバスに直結できる規格で,高速周辺機器の拡張性を確保している。
 →ICカード,PCカード

PCカード
● PC card
 米国のPCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)と日本電子工業振興協会(JEIDA,現JEITA)が共同で規格化した「PC Card Standard」に準拠した,クレジットカード・サイズの周辺機器の総称。ほとんどのノート型パソコンがPCカードに対応しており,最近ではデスクトップ型でもPCカードに対応した機種がある。カードの種類は,SRAM,フラッシュ・メモリ,ハードディスクなどの記憶装置,モデム,SCSI,LANカードなど各種ある。
 厚みの違う3タイプがある。タイプTは3.3mm厚で主にメモリ・カードに使われる。タイプUは5mm厚でモデムなど利用するPCカードの種類は多い。タイプVが10.5mm厚でハードディスクなどで採用される。

PDA
● personal digital assistant
 個人向け携帯型情報端末機器。電子手帳に通信機能を加え,大量データの保存・検索による的確な情報の提供などを行う。

PDC
● personal digital cellular
 日本の標準デジタル携帯電話方式。商用サービスは1993年3月に始まった。1つの基地局を中心とする通信可能距離(セルの半径)は0.5?20kmとPHS(personal handyphone system)と比べてかなり大きく,利用者は高速移動中も通信ができる。音声信号の伝送速度は5.6kbps(ハーフ・レート)または11.2kbps(フル・レート)で,PHSと比較してかなり小さい。このために音声品質はPHSと比較すると劣る。データ通信に使える伝送速度は9.6kbpsである。

PFC
● perfluoro carbon
 代替フロンの一つ。perfluoro carbon(米国では,perfluoro compounds)の略称。炭化水素の水素基がフッ素で全て置換された化合物を意味するが,半導体業界では,CF4,C2F6,C3F8,C4F8,CHF3,SF6,NF3を総称してPFCと呼んでいる。微細加工のためのエッチング工程やCVD装置の洗浄で使用される重要なガスであるが,地球温暖化係数が大きいと言われ,その排出削減が求められている。
 →CVD,エッチング

PGA
● pin grid array
 挿入実装型パッケージの一つ。下面全面にピンが格子状に配列されている。

PL
● product liability
 ▽製造物責任

PLD
● programmable logic device
 プログラムすることでユーザが所望の論理を容易に実現できるセミカスタムIC。超短納期,少量多品種生産の点で優位性がある。一般に,ANDゲート群とORゲート群の論理回路がアレイ状に配列されており,たとえばフューズ方式のPLDではそれぞれのアレイ中のゲート間を接続しているフューズを切断することでプログラムする。プログラムの方法はSRAMセル方式,EPROM方式などがある。名称は,FPGA(field programmable gate array),PLA(programmable logic array),CPLD(complex programmable logic device),FPL(field programmable logic),PAL(programmable array logic)などということもある。

PLL
● phase-locked loop
 位相同期ループ。正確な周波数追尾を行うためのサーボ回路機構で,位相比較器,ローパスフィルタ,電圧制御発振器(VCO)で構成されている。ビデオのモータなどの精密回転制御,通信機などの変復調,放送受信機などの民生機器に多く利用されている。一般には,ローパスフィルタとVCOの間に増幅器を挿入して利得を上げて使用する。利用の方法では,ローパスフィルタの出力電圧を利用する方法と,VCOの出力周波数を利用する方法がある。

pMOS(ピーモス)
● p-channel MOS
 p型(pチャンネル)MOS FETの略称。基板がn型で構成され,ソースとドレイン部がp型に作られたMOSデバイス。チャネル電流は正孔(ホール)によって運ばれる。nMOSに比べて速度が遅いので,単独では高い出力電圧が必要な場合など特殊な用途に使われる。
 →nMOS

pn接合
● pn junction
 同一結晶中で一方がp型,他方がn型の構造を有する半導体の接合。

ppm
● parts per million
 微量含有物の存在比率を表す単位で,100万個に1個の割合を示す。

PROM(ピーロム)
● programmable read only memory
 プログラム可能な読み出し専用メモリ。不揮発性メモリの一つ。IC完成後に外部から電気的に記憶情報を書き込めるタイプの読み出し専門メモリ。種類として,EEPROM(E2PROM),EPROM,OTPなどがある。
 →EEPROM,EPROM,OTP

PVD
● physical vapor deposition
 物理的気相成長。物理的手段(たとえば,スパッタリング)を用いて材料物質を堆積させる成膜法。これに対するものが化学的気相成長(CVD)である。
 →CVD,気相成長,スパッタリング

[Q]    topへ

QFP
● quad flat package
 表面実装型パッケージの一つ。パッケージの4側面すべてからリード端子が出ているタイプ。

[R]    topへ

RAM(ラム)
● random access memory
 随時書き込み読み出しメモリ。情報を任意のメモリセルに任意の順序で記憶することができ,また任意のメモリセルから同じ速度で記憶情報を読み出すことができるメモリ。縦と横に多数のメモリセルを並べ,どのセルに対してもアクセスタイム(読み出し動作を開始してから記憶情報が出力端子に現れる時間)が一定なので「等速呼び出しメモリ」という。定期的にリフレッシュ動作が必要なダイナミックRAM(DRAM)や電源を切るまで記憶情報を保持し続けるスタティックRAM(SRAM)などがある。
 →DRAM,SRAM

Rambus DRAM,RDRAM
● Rambus dynamic random access memory
 ▽ラムバスDRAM

RCA洗浄
● RCA cleaning
 米国RCA社によって開発された,IC製造工程における代表的なシリコン・ウェハ洗浄法。

RIE
● reactive ion etching
 反応性イオンエッチング。ドライエッチングの一つ。加速イオンによる物理的作用と被エッチング材との化学的作用の両方をエッチング・メカニズムに利用している。
 →エッチング

RIMM(リム)
● Rambus in-line memory module
 Rambus DRAMを搭載したメモリモジュール。DIMMに似た形状だが,内部の回路などは全く互換性がない。電圧は2.5Vで,端子数は184ピン。
 →ラムバス DRAM

RISC(リスク)
● reduced instruction set computer
 縮小命令セット・コンピュータ。CPUの命令を最小限に抑えてハードウエアの負担を軽減し,高速動作を追求したコンピュータ。命令セットは使用頻度の高い基本命令に限定し,命令語長の統一,各命令を同じサイクル時間で実行できるなどの手法をとる。高いMIPS値が得られる一方で,コンパイラなどソフトウエアへの負担は重くなる。
 →CISC

ROM(ロム)
● read only memory
 読み出し専用メモリ。電源を切っても記憶した情報が消えない特徴をもつ。マイクロプログラム,文字パターン,定数等の内容が変化しない情報を記憶するのに使用される。ユーザが情報を自由に書き込めるプログラマブルROM(PROM)と製造工程で書き込み内容が固定されるマスクROMに大別される。
 →PROM,マスクROM

RTL
● register transfer level
 論理回路をレジスタ間の動作として表現した回路の記述レベル。LSIの設計階層の中で,ゲート・レベルよりも上位の記述レベル。記述言語としては,Verilog HDLまたはVHDLを使うことが多い。
 →Verilog HDL,VHDL

[S]    topへ

SDF
● standard delay format
 EDAツール間で取り扱う遅延情報の標準フォーマット(タイミング・データ形式)。ツールや言語から独立した表現(ASCIIデータ)である。素子の遅延時間に加えて,パスの遅延時間や遅延時間の制約条件,配線遅延時間なども扱うことができる。

SEM(セム)
● scanning electron microscope
 ▽走査型電子顕微鏡

SiGe
● silicon germanium
 SiとGeの固溶体である混晶半導体。Siより禁制帯幅が狭く,電子移動度が大きい特徴をもつ。また,シリコンパイポーラトランジスタと比べてより高速動作特性がある。

SIMM(シム)
● single in-line memory module
 DRAMなどを複数個を基板に実装したJEDEC規格のメモリモジュール。32ビット単位でデータの読み書きを行い,表と裏の端子は結線されている。PC AT互換機では,72ピンの32ビットデータ幅が主流。他には30ピンの9ビットデータ幅(またはパリティなしの8ビットデータ幅)がある。
 →DIMM,JEDEC

SiO2
● Silicon dioxide
 ▽二酸化シリコン

SiP
● system in a package
 パッケージの中に所望のメモリやマイコン,受動部品を複数詰め込み,内部を三次元的に接続することで所望のシステムを実現したもの。

SMD
● surface mount device
 表面実装型部品。SMTと同義語で使われることがある。
 →SMT

SMIF(スミフ)
● standard of mechanical interface
 ウェハカセットの搬送・保管用のケース(ポッド)。この中に収納したウェハはクリーン度を保つことができる。高度なクリーンルーム内でなくてもICの製造(前工程)が可能になる。このため「局所クリーン化技術」ともよばれる。
 →FOUP,クリーンルーム


SMT
● surface mount technology
 面実装技術。パッケージのリードを基板に挿入せずに面実装する技術。電子機器の小型,軽量,薄型化に対応する。これに対応した部品を面実装部品(SMD:surface mount device)という。
 →SMD

SoC
● system on a chip
 ▽システムLSI

SOG
● sea of gate
 自由にゲート領域と配線領域を構成できる構造のゲートアレイ。チップ全面にトランジスタを海のように敷き詰めているのでsea of gate,あるいはチャネルレス型ゲートアレイと呼ばれている。RAMやROMを効率よく内蔵し,ランダム論理だけでは回路が構成しにくい大規模回路などに利用される。従来のゲートアレイは,規則的に並んだ素子(ゲート)領域と,ゲート間を配線する領域(チャネル領域)とが必要であるため,集積度が低くなる傾向があった。
 →ゲートアレイ

SOI
● silicon on insulator
 シリコン酸化膜(SiO2)などの絶縁膜の上にSi層を形成した構造。サファイアの表面にシリコン単結晶を気相成長させたSOS(Silicon on Sapphire)が最初の試み。サファイア基板上の薄膜Si層をレーザ光などで単結晶化し,ICを作り込む。このほか,酸化膜を介してSi基板同士を貼り合わせる方法や,Si単結晶基板に酸素(O)イオンを打ち込みSiO2層を形成するSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法などが実用化された。SOIデバイスは低消費電力,高速動作に向いている。

SOR
● synchrotron orbital radiation
 ▽シンクロトロン

SPC
● statistical process control
 統計的工程管理。製造工程の各チェックポイントで収集された膨大なデータをコンピュータで統計的処理を行い,製造条件や各工程でのICのでき栄えの推移(傾向)をモニタ管理するシステム。必要に応じてアラームを発し,異常検出も行う。CIMと連動して自動データ収集,統計処理,判断,指示を行うものもある。

SpecC(スペックC)
● SpecC
 ソフトウエア開発言語であるC言語をもとに,ハードウエア設計に必要な並列性や時間情報を記述可能な構文を追加した言語。STOC(SpecC Technology Open Consortium)によって標準化が進められている。

SPICE(スパイス)
● simulation program with integrated circuit emphasis
 LSI用の回路シミュレータ。1975年に米国カリフォルニア大学バークレー分校で開発された汎用回路解析(アナログ)プログラム。SPICEはトランジスタ,抵抗,コンデンサなど,対象回路を構成する素子レベルの回路情報をもとにその回路の挙動をシミュレーションする。解析手法には,直流(DC)解析,交流(AC)解析および過度解析がある。当初,パブリックドメイン(Public Domain)のソフトウエアとして発表された。半導体メーカが独自に機能拡張を行ったり,商用ベースではいくつかの機能を独自に強化した個別製品のSPICEが,各ベンダから提供されている。


SRAM(エスラム)
● static random access memory
 記憶保持動作(リフレッシュ動作)が不要な随時書き込み読み出しメモリ。スタティックRAMともいう。メモリセルがフリップ・フロップ回路で構成されており,一度書き込まれた情報は電源を切るまで消えない。SRAMは動作タイミングが容易でリフレッシュ動作も不要なために使いやすく,また高速性能も得られやすい。このため,高速を要求するキャッシュメモリや小型電子機器に使用される。メモリセルがDRAM構造でリフレッシュ用の補助回路を内蔵した疑似SRAM(pseudo SRAM)がある。
 →DRAM

STB
● set-top box
 一般には,ビデオ・オン・デマンドや映像版ホームショッピング,ネットワーク・ゲームといった次世代型の双方向マルチメディア通信サービスを利用する場合に必要な家庭用通信端末を指す。テレビ・セットの上に置いて利用する箱(端末)という意味でこう呼ばれる。双方向CATVや電話会社の映像伝送サービスなどのネットワークと接続,家庭内ではテレビ・モニタなどとつないで利用する。ビデオ・サーバなどとの通信機能をもつほか,基本機能として映像信号の受信・変換機能を備える。データ通信サービスも同時に利用できるように,電話のインタフェースやパソコンとの接続インタフェースをもたせたものもある。

STRJ
● Semiconductor Technology Roadmap Committee  
 of Japan
 1998年に,将来の半導体技術見通しに関する情報や目標実現のための課題などについての認識や共有化を目的にEIAJ(現JEITA)で組織化された委員会。半導体関連業界団体や大学・国立研究機関を含めて広範囲に活動が行われている。
 →ITRS

SystemC
● SystemC
 ソフトウエア開発言語であるC++言語のクラスライブラリによって,ハードウエア設計に必要な並列性や時間情報を記述可能とした言語。OSCI(Open SystemC Initiative)によって標準化が進められている。
 →C言語,SpecC

[T]    topへ

TAB(タブ)
● tape automated bonding
 ICチップをテープキャリアに張り付けるLSI実装技術。IC上に形成したバンプ電極をテープキャリアのインナーリードと熱圧着する方式。ICパッドを一括接続するギャングボンディング方式と1パッドずつ接続するシングルポイントボンディング方式がある。広義として,樹脂封止やテスティングも含める場合がある。
 →TCP

TAT(タット)
● turn around time
 受注から製品供給までの所要時間(日数)のこと。TAT短縮は,設計・製造などあらゆる部門で合理化目標の一つとして追及されている。

TCP
● tape carrier package
 フィルム・キャリア・パッケージともいう。ICチップをテープフィルムと接続し,樹脂で封止するTAB(tape automated bonding)技術を用いたパッケージ。TCPはプラスチックパッケージに比べて多端子・薄型化が可能である。
 →TAB

TDMA
● time division multiple access
 時分割多重アクセス方式。高速LANで採用されている通信制御方式の一つ。時間をごく短い一定時間ごとに分割し(タイム・スロット),このタイム・スロットを各ノードごとに割り当てることによって,あたかも一つのノードで伝送路を独占しているようにした方式である。
 →CDMA,W-CDMA

TEG(テグ)
● test element group
 特性評価用素子。ウェハ上にチップと同様に作ることが多い。

TFT
● thin film transistor
 薄膜トランジスタ。ガラスなどの絶縁基板上にCVD(chemical vapor deposition:化学的気相成長)技術やスパッタリング技術で形成したトランジスタ。構造は通常のMOSトランジスタと同じ。通常のトランジスタやICなどがシリコン単結晶を用いるので,区別するために薄膜トランジスタと呼ぶ。薄膜にはアモルファスシリコンや多結晶シリコンが使われる。単結晶シリコンに比べて移動度は小さい。しかし,大面積化が可能といった利点を生かして,TFTは液晶ディスプレイパネルの画素スイッチなどに使用される。
 →CVD

TLO
● technology licensing organization
 技術移転機関。1998年8月1日に施行された「大学等技術移転促進法」(大学等における技術に関する研究成果の民間事業者への移転の促進に関する法律)に基づく産学連携の一つ。大学だけでなく国公立研究機関の研究成果や新技術を産業界に移転するなど,産学官連携を促進する組織。TLOの多くは株式会社の形で設立されている。大学などの研究成果の評価,技術情報の提供,特許の取得・維持,特許ライセンス料の取得,技術移転によって得た収入の配分(教授や研究室,大学に還元)などを行う。

TMR
● tunneling magnetoresistive,
  spin tunnel magnetoresistive
 トンネル型磁気抵抗効果。十分薄い絶縁層を挟んだ強磁性体の両端に電圧を加えると,トンネル効果により電子が絶縁層を通過できる。この状態で外部磁界を変化させると電気抵抗が急激に変化する。これがスピントンネル磁気抵抗効果である。現行のGMR素子に対して,MR比(磁場をかけたときに抵抗変化する比率)が30?40%と高まるため,将来のHDDヘッドだけでなく,磁気不揮発性メモリ(MRAM),スピンエレクトロニクス素子への応用が期待されている。
 →MRAM,GMR

TRON(トロン)
● The Realtime Operating System Nucleus
 ノイマン型の計算機アーキテクチャを再検討して考案された新しいアーキテクチャ体系。制御用OSとして多く利用されている。ITRON(機械制御用),BTRON(日本語処理・ファイル管理などビジネス用),CTRON(通信制御用),MTRON(マクロ,分散処理用)のタイプがある。東京大学の坂村健教授のTRON構想に基づいて,TRON協会が中心になって規格化された。TRONは,組み込み向けOSとしてだけでなく,多漢字・多国語処理が可能なOSとしても注目されている。

[U]    topへ

USB
● universal serial bus
 周辺装置を接続するためのパソコン向けインタフェース仕様。マウスやキーボード,プリンタ,モデム,スピーカ,ジョイスティックなどのインタフェースの共通化を狙う。パソコン本体がUSBコネクタを1つ備えるだけで,各種の周辺装置をスター状に最高127台まで接続できる。
 →IEEE1394

USIC(ユーシック)
● user specific integrated circuit
 ▽ASCP

UVリソグラフィ
● ultra violet light lithography
 ▽紫外線露光

[V]    topへ

VCX
● Virtual Component Exchange
 スコットランドに設立された「半導体IP取引所」。
 →IP

Verilog-HDL(ベリログ-エッチディーエル)
● Verilog-hardware description language
 ハードウエア記述言語(HDL:hardware description language)の一つ。VHDL(VHSIC hardware description language)と並んで,多くのLSIメーカなどで使われている。プログラミング言語の一つであるC言語と記述ルールが似ているため,修得が比較的容易である。また,VHDLと比べて記述が簡潔なため,記述量も少なくて済むといわれる。1995年にIEEE1364として標準化された。
 →VHDL,ハードウエア記述言語

VHDL
● VHSIC hardware description language
 ハードウエア記述言語(HDL)の一つ。米国国防総省が1980年から実施したVHSIC(very high speed integrated circuit)プロジェクトの成果として生まれたことから,この名前が付いている。ほぼすべてのハードウエア記述に対応できる。1987年にIEEE1076として標準化されており,多くのLSIメーカなどで使われている。
 →Verilog -HDL,ハードウエア記述言語

VLIW
● very long instruction word
 命令長が128ビット以上で,複数の処理を並列に高速実行するマイクロプロセッサのアーキテクチャ。
 →CISC,RISC

VMOS
● v-groove MOS
 縦型V溝MOS FET。シリコン(Si)単結晶基板表面にV型の溝を形成して,溝に沿ってゲート酸化膜およびゲート電極を設け,ソース電極を表面に,ドレイン電極を裏面に形成する。オン抵抗が小さいのが特徴。パワーMOS FETに利用される。

VPE
● vapor phase epitaxy
  気相エピタキシャル成長

VSIA(VSIアライランス)
● Virtual Socket Interface Alliance
 半導体IP(Intellectual Property:設計資産)を流通・普及させようと組織化された任意団体。
 →IP

[W]    topへ

WAN(ワン)
● wide area network
 広域ネットワーク。閉じられた狭い範囲ではなく,非常に広い範囲にわたって結ばれたネットワークを指す。公衆回線や専用線を用いて,広域に端末装置を設置したり,離れた場所にある複数のLANを接続したりするネットワーク。
 →LAN

WAP(ワップ)
● wireless application protocol
 携帯電話機や携帯情報端末など表示画面に限りのある携帯端末からインターネットに無線アクセスし,ブラウザで表示するためのプロトコル。WAPフォーラムが仕様を作成した。記述言語は,HTML(hypertext markup language)に代えてWML(wireless markup language)を採用している。
 →WML

W-CDMA
● wideband-CDMA
 広帯域CDMA。第3世代移動通信システム「IMT-2000」に対応した第3世代標準規格。CDMA(code division multiple access)方式移動通信システムをマルチメディアに対応できるように広帯域化したもの。
 →CDMA

WIPO(ワイポ)
● World Intellectual Property Organization
 世界知的所有権機関。本部はジュネーブにある。WIPOは,?全世界にわたって知的所有権の保護を促進すること,?知的所有権関係の諸同盟の管理を近代化し能率化するため同盟間の行政的協力を確保すること,を目的として,1967年に設立された。2002年11月11日現在の締約国は179カ国である。

WMA
● Windows Media Audio
 マルチメディア圧縮フォーマット「Windows Media Technologies」に含まれる音楽用圧縮フォーマット。一般に普及しているMP3と同等の音楽CDなみの音質がより小さいファイルサイズで実現できる。インターネットでの配信を主目的に開発されており,著作権保護に関する仕組みにも対応している。
 →MP3

WSTS
● World Semiconductor Trade Statistics
 1984年に設立された世界半導体市場統計。世界の主要半導体メーカ67社(うち日本18社。2002年10月現在)が参加している半導体市場データの統計機関。

[X]    topへ

xDSL
● x digital subscriber line
 メタリック加入者線を使って高速データ伝送をする技術の総称。ADSL(asymmetric DSL),HDSL(high-bit-rate DSL),SDSL(symmetric DSL),VDSL(very high-bit-rate DSL)などがある。ADSLは上りチャネルと下りチャネルの伝送速度が異なる非対称であるが,SDSLは伝送速度を上り/下り同じにした対称方式である。既存の電話回線をそのまま使用して電話局側と加入者側に対応装置を設置するだけで,デジタル回線並みに高速回線化される。

XML
● extensible markup language
 HTML(hyper text markup language)に代わるものとして標準化作業が進む記述言語。HTMLで普及したリンク(関連づけ)機能などを拡張するとともに,SGML(standard generalized markup language)をインターネット向けに最適化した。HTMLとSGMLの長所をあわせもつように定めた。

X線リソグラフィ
● X-ray lithography
 ▽リソグラフィ





[ア行]    topへ

アーキテクチャ
● architecture
 語源は「建築」を意味する。ハードウエア,ソフトウエアを開発・設計する場合,その思想を構築していくさまが,建築物の設計に似ているところから,アーキテクチャという名称が用いられている。構成,構築の考え方。

アイソレーション
● isolation
 素子間分離。ICにおいて,同一基板内の各素子が干渉しあい悪影響をおよぼさないように,お互いを電気的に絶縁分離すること。LOCOSは代表的なものである。
 →LOCOS

アクセスタイム
● access time
 メモリが読み出し動作を開始してから,メモリセルのデータが出力端子に現れるまでの時間。メモリの読み出し動作時間を示す。一般規格では最大の時間を規定し,単位はns(ナノ秒,10?9秒)。

アスペクト比
● aspect ratio
 矩形画面などの横縦の比率。通常のNTS CとPALのテレビでは横4に対し,縦3で構成される。その比率4対3をアスペクト比という。半導体では配線パターンにおいて,配線幅に対する配線の厚さ(高さ)の比率をいう。また,コンタクトホール開口パターンにおいて,開口直径に対する開口深さの比率をいう。

アッシング
● ashing
 灰化のこと。フォトレジストを気相中で反応性ガスと反応させ,除去する方法をいう。IC製造工程でパターンをウェハに転写するためのリソグラフィ工程において,フォトレジストを塗布・露光・現像し,エッチングなどのマスクとして利用した後に不要となったフォトレジストを除去するため,酸素プラズマなどで灰化処理する。

圧電素子
● piezoelectric device
 ピエゾ素子。圧電効果を利用した素子。誘電体の性質である圧縮,伸長で誘電分極が起きその両端に電位差を生じる。または,この逆の反応を利用したもの。圧電振動子,SAW(Surface Acoustic Wave:表面弾性波)フィルタなどがある。

後工程
● assembly and testing process
 IC製造工程で,前工程(拡散工程)で出来上がったシリコン・ウェハを,1個1個のチップに切り分け,パッケージに収納(封止)する工程をいう。これには,組立工程,選別工程,バーンイン工程,検査工程などがある。
 →前工程

アナデジLSI
● analog-digital LSI
 アナログ・デジタル混載LSI。ミックスド
シグナルともいう。アナログ回路とデジタル回路を混載したLSI。
→Bi-CMOS

アニール
● anneal
 IC製造においてレーザ,電子ビーム,電気炉などを使用して熱処理を行うこと。イオン注入した導電型不純物の電気的活性化やプロセス誘起ダメージからの回復のため,真空中や窒素などの不活性ガス雰囲気中で行う熱処理。またSi-SiO2界面安定化のため,水素あるいはフォーミングガス中で行う熱処理。

アバランシェ降伏
● avalanche breakdown
 なだれ効果。なだれ降伏ともいう。電界によって加速されたキャリア(電子あるいは正孔)が格子原子と衝突し,さらに電子・正孔対を作り出す。このように,半導体の接合部の両側に十分大きな電界を加えると,半導体内のキャリアがなだれ的に増大する現象である。pn接合に逆方向に大きなバイアス電圧をかけた場合などに起きる。

アモルファス
● amorphous
 非晶質。固体材料で構成原子が規則正しい配列をもたない状態のもの。ガラス質ともいう。アモルファス・シリコンは不規則的構造で無定型状態のシリコンであるが,半導体の性質をもつ。これを利用して液晶ディスプレイの薄膜トランジスタ(TFT)や太陽電池などが作られている。

アラインメント
● alignment
 ステッパなどでマスク・パターンをウェハ上に転写する時の位置合わせ,あるいはその操作をいう。
 →ステッパ

イールド
● yield
 ▽歩留り(ぶどまり)

イオン打ち込み
● ion implantation
 イオン注入ともいう。原子をイオン化して加速し,固体中に打ち込む。固体の性質を変えるために用いられる。この原子を不純物原子と呼ぶ。半導体の一部をp型やn型,または低抵抗にするための方法の一つ(不純物注入)。MOSトランジスタのソースやドレイン形成に利用する。熱拡散などで不純物を導入する方法に比べて,不純物の濃度やその分布を制御しやすい。

イオンビーム
● ion beam
 真空中で加速・収束した細い線状のイオン粒子の流れのこと。イオンビーム・エッチングやイオンビーム・リソグラフィなどに利用されている。
 →FIB

位相シフト・リソグラフィ
● phase-shift lithography
 LSIの回路パターンをシリコン(Si)基板上に転写するリソグラフィ(露光)工程で,光の干渉を利用して解像度を上げる方法。露光に使う光の波長程度が限界といわれてきた解像度が,波長の2/3以下にまで上げられる。回路の原版となるフォトマスクにSiO2などの透明膜を部分的に付けておく。この膜の部分を透過した光の位相が変り,光の干渉によって回路パターンをコントラスト高く転写できる。ハーフトーン型,レベンソン型などの方式がある。
 →リソグラフィ

イーサネット
● Ethernet
 1本の伝送線に分岐する形で端末をつなぐLAN(Local Area Network)の形態。伝送速度は10Mや100Mbps(ビット/秒)で,伝送媒体には10BASEや100BASE規格のケーブルを使用する(10BASE,100BASEの10,100は伝送速度を表す)。さらに高速の規格として1000BASE(ギガビット)などもある。
 →LAN,WAN

インバータ
● inverter
 直流の電圧や電流を交流に変換する回路または装置。主にエアコンなどの交流モータの回転数を変えるのに用いられる。
 →コンバータ

ウェットエッチング
● wet etching
 ▽エッチング

ウェハ
● wafer
 単結晶のシリコンインゴットから切り出し,表面を研摩した円板状の薄い板のこと。この上に各種ICが作られる。ウェハは直径,結晶方位,不純物の種類,不純物の濃度などによって分類され,製造する半導体の用途別に使い分けられる。最近では直径が300mm(12インチ)のウェハがLSIの量産に使用されている。
 →鏡面ウェハ

ウェハ・プロセス
● wafer process
 ウェハの上に多数のICチップを作り込む工程。前工程,拡散工程ともいう。
 →後工程

ウェハレベルCSP
● wafer level chip size package
 個々のチップに分割する前のウェハ段階で,外部接続用の電極を設け,樹脂封止をしたパッケージ形態。
 →CSP

ウェル
● well
 井戸。シリコン・ウェハの表面近くで形成された比較的深い不純物添加領域のことで,ここにトランジスタなどの素子が作られる。ウェルにはp型とn型の2種類がある。

エキシマレーザ
● excimer laser
 IC製造工程で,マスク・パターンをウェハ上に転写するための露光工程で線源として用いられるレーザ光源。これには,KrF(フッ化クリプトン・エキシマレーザ,波長 248nm),ArF(フッ化アルゴン・エキシマレーザ,波長 193nm),F2(フッ素・エキシマレーザ,波長 157nm)などがある。KrFはデザインルール0.25?0.13μmの量産に使用されている。ArFはデザインルール0.13?0.07μm用として開発されている。F2は次期光源として注目されている。

液晶
● liquid crystal
 液晶を光シャッタとして用いたディスプレイをLCD(Liquid Crystal Display)という。通常,物質は温度を上げていくとある温度で固体から液体に変化するが,特殊な分子構造をもつ物質の中には液体に直接転移せず,中間状態を経てから通常の液体になるものがある。この固体,液体,気体のいずれにも属さない第4の状態を示す物質が液晶である。液晶は液体のように流動性があり,電気光学的には結晶(固体)の特性をあわせもつ。液晶は1888年オーストリアの植物学者ライニツァーにより発見された。その後,1960年代にRCA社が電気的刺激を液晶に与えると光の通り方が変わることを発見した。数年後,同社において現在の液晶ディスプレイにつながる表示装置が作られた。

エッチング
● etching
 食刻ともいう。一般には化学薬品などの腐食作用によって物体を削ること。LSIやプリント配線基板など精密な加工に多く使われる。フォトリソグラフィ(光露光)で形成したレジストパターンをマスクにして,下地の薄膜をエッチングし,パターン形成を行う。薬液を用いる方法をウェットエッチングといい,プラズマやイオンを利用する場合をドライエッチングという。

エピタキシャル成長
● epitaxial growth
 下地の単結晶基板上に,それにならって結晶方位,結晶構造,近い格子定数をもつ膜を堆積させる方法。
 →CVD

エレクトロマイグレーション
● electromigration
 半導体デバイスなどに用いられている金属配線中を電流が流れるとき,電子と原子の衝突による運動量の移転で電子の流れる方向に原子が移動する現象。電流密度が増大すると,配線が断線を起こす原因となる。配線寿命は,電流密度の2?3乗に逆比例する。これにより,電流密度の増加につながるデバイスの微細化は寿命を著しく低下させる恐れがある。また,マイグレーションには金属配線が熱によって応力を受け断線につながるストレスマイグレーションもある。

エレクトロルミネッセンス
● electroluminescence
 ELともいう。材料により無機ELと有機ELがある。無機ELは,蛍光体を含む膜に交流高電界を加えたときに起こる電子の衝突励起によって発光する。ZnS:Mnによるオレンジ色の発光が代表的。今までの懸案であった青色発光も可能となり,ディスプレイに応用されている。有機ELは陽極から注入されたホール(正孔)と陰極から注入された電子とが有機発光層で再結合して発光する。直流電流の注入により発光する発光ダイオード(LED)と同じ発光機構をもつため有機LED(OLED)とも呼ばれる。液晶,PDPに次ぐディスプレイへの応用が期待されている。
 →無機EL,有機EL

エンコーダ
● encoder
 符号器ともいう。ある情報や信号をデジタル符号化すること,またはその機能。デジタル信号の冗長度(データ量)を減らす(帯域圧縮)などに用いられる。これに対して,ある符号から元の信号を復元する機能をもつのがデコーダである。
 →デコーダ

エンジニアリングサンプル
● engineering sample
 ES。ICをユーザに機能や性能を評価してもらうためのサンプル。一般に,コマーシャルサンプル(CS)と異なり,信頼性を保証していない。
 →コマーシャルサンプル

エンハンスメント型FET
● enhancement-type FET
 ノーマリオフ型FET(Normally-off FET)ともいう。FET(電界効果型トランジスタ)で,ゲート電圧を0V以上にしないとドレイン電流が流れないタイプのトランジスタ。これに対して,ゲート電圧が0Vでもドレイン電流が流れるタイプをデプリーション型FETという。MOS FETでは,チャネル濃度によってエンハンス型にもデプリーション型(ノーマリオン型)にもできる。

エンベデッドセルアレイ
● embedded cell array
 ECA,エンベデットアレイともいう。ゲートアレイの一つ。ゲートアレイに機能ブロックを組み込み,特定用途向けを指向したIC。RAMやROM,CPUなどを効率よく内蔵できる。シー・オブ・ゲート(SOG:sea of gate)やチャネルレス型ゲートアレイと呼ぶエンベデッド・アレイもある。SOGはチップ全面にトランジスタを埋め込み,自由にゲート領域と配線領域を構成できる構造のゲートアレイ。従来のゲートアレイは,規則的に並んだ素子(ゲート)領域と,ゲート間を配線する領域とが必要だった。このため,集積度が低くなる傾向があった。
 →ゲートアレイ

オプトエレクトロニクス
● optoelectronics
 オプティクス(光学)とエレクトロニクス(電子工学)の合成語。光から電気信号へ,あるいは逆に電気信号から光へと変換する技術の総称。半導体レーザ,発光ダイオード(LED),EL,光ファイバ,光メモリ,光変調素子,光シャッタなど,さまざまな高機能デバイスがある。また,これらの応用としては,CD(コンパクトディスク)やMO(光磁気ディスク)などの光ディスク,伝送・情報処理,計測,加工など多岐に渡る。

オペアンプ
● operational amplifier
 演算増幅器。OPアンプともいう。アナログ・コンピュータの高精度線形増幅器として使われたところから名付けられた。バイポーラ技術で高利得・広帯域の直流増幅器をIC化したものが多い。また,品種も多く汎用リニアICの代表製品である。産業用リニアICに分類されるが,音響機器や映像機器などの民生用への利用も多い。とくに,HDD(磁気ディスク装置)の磁気ヘッドや光ディスク装置の光ピックアップの初段の信号増幅に採用されている。このオペアンプとA-D変換器(アナログ-デジタル変換器)をあわせて,ミックスドシグナルデバイスという場合もある。

[カ行]    topへ

カーボンナノチューブ
● carbon nanotube
 炭素の六員環だけを平面状につなげた六角網構造のシートを筒状に丸めた基本結晶構造をもち,単層カーボンナノチューブ(CNT)と呼ばれる。CNTには筒が多層に重なった多層カーボンナノチューブや,チューブの直径が異なるものなどがある。それぞれ違った特性をもち,金属から半導体までの特性を示す。半導体では融点が高く,電子(またはホール)移動度と熱伝導率がシリコンよりはるかに大きいため,究極の半導体材料として期待され,フィールドエミッションディスプレイ(FED),トランジスタ,燃料電池の電極材料など応用を目指した開発が進められている。
 →ナノテクノロジ

回路シミュレーション
● circuit simulation
 電子回路のアナログ動作を解析する方法。トランジスタ,抵抗,容量などの回路構成素子特性と回路接続状態を入力して回路内の電圧,電流などの直流特性,交流特性,過渡特性,周波数特性などの解析を行う。トランジスタレベルの回路設計に一般的に使用されている。その代表的なものがSPICEである。
 →SPICE

化学気相成長法
● chemical vapor deposition
 ▽CVD

化学的機械的研磨
● chemical mechanical polishing
 ▽CMP

拡散層
● diffusion layer
 半導体表面から熱的な方法で不純物原子を注入すると,深さ方向に濃度こう配をもった層(p型,n型の層)ができる。この層のことを拡散層という。拡散層中での不純物原子の濃度は均一でなく,内部にいくに従って薄くなる。このため拡散層の評価は表面濃度(シート抵抗),拡散層深さなどで行う。ICの中で拡散層は抵抗や配線などにも使われている。

拡散抵抗
● diffused resistor
 半導体デバイスにおいて,不純物を拡散させた層の抵抗のこと。拡散層抵抗ともいう。抵抗素子としてみれば,拡散抵抗は一般に抵抗値の温度特性があまり良くなく絶対値精度も低い。しかし,チップ内(2個またはそれ以上)での抵抗値間での相対精度は高い。この特長を生かしIC内の差動増幅回路などに用いられている。

化合物半導体
● compound semiconductor
 二つ以上の元素からなる半導体をいう。GaAs,InP,GaNなどがある。?族と?族,?族と??  族など,??  族以外の元素を組み合わせることで,シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)など単一元素では実現できない半導体の特性を実現することが可能である。超高速・超高周波デバイスや,光デバイス(半導体レーザ,LED)などに利用されている。
 →GaAs

カスタムIC
● custom integrated circuits
 ユーザ(顧客)の仕様に合わせて作る特注のICやLSI。フルカスタムICとセミカスタムICがある。時間が経ち,量が増え,標準品(ASSP)となることもある。フルカスタムICは完全な特別設計なので,開発期間が長く,開発コストも高い。このため,ゲートアレイやスタンダードセルが利用される。
 →ASCP,ASIC,ASSP,汎用IC,
  ゲートアレイ,スタンダードセルアレイ

画素
● pixel
 文字,絵,写真,景色などの画像をマス目状の網の目のように分割したとき,一つの目に相当する部分を画素という。一つの画像の画素数が多いほど再生される画像ははっきりする(解像度が高い)。CCDエリアイメージセンサでは,光感度および蓄積機能をもち,かつその信号が出力される最小単位を有効画素といい,その総数を有効画素数という。これ以外に光電変換機能をなくした画素も含めたものを総画素数という。

ガリウムひ素半導体
● gallium arsenide semiconductor
 ▽GaAs IC

環境経営
● environmental management
 企業が環境保全への自主的取り組みを経営戦略の一要素として位置付けること。具体的には,国際規格に準拠した環境管理体制の構築(ISO14001の取得)や環境に配慮した製品・生産の展開・グリーン調達,使用済み製品や製造にともなう廃棄物の再利用・再生利用の促進などがあり,その取り組み状況は環境報告書や環境会計などを通じ開示される。これにより顧客の評価が高まり,市場競争で有利となる。
 →グリーン調達

寄生パラメータ
● parasitic parameter
 ゲート電極とサブストレート(基板)間,配線とサブストレート間あるいは配線と配線の間の容量,配線そのものの抵抗,配線層をつなぐスルーホールや配線と拡散層をつなぐコンタクトホールの抵抗など,設計上は意図しないで形成される容量,抵抗あるいはトランジスタなどを総称して寄生パラメータという。

気相成長
● vapor phase growth
 材料を気体(気相)状態にして結晶基板表面に薄膜を成長する技術。これには,化学気相成長(CVD)と物理気相成長(PVD)がある。 
 →CVD,PVD

機能シミュレーション
● functional simulation
 ゲート・レベル(論理レベル) より上位概念である動作レベルで,システムの仕様を記述して検証すること。

機能設計
● function design
 IC設計の一つ。システム仕様に基づいて,そのICにどのような機能をもたせるかを設計すること。あるいは,その設計工程をいう。最近では設計にCADなどを利用した自動設計が一般的となっている。機能合成ともいう。また,機能設計には機能検証もある。
 →CAD,HDL

揮発性メモリ
● volatile memory
 電源を切ると記憶しているデータが消えてしまうメモリ。SRAM,DRAMが代表的である。 
 →DRAM,SRAM,不揮発性メモリ

キャッシュメモリ
● cache memory
 キャッシュ(cache)とは隠し場所の意味で,頻繁に用いるデータを一時的に待避するバッファ。コンピュータの処理速度の向上のために,CPU(プロセッサ)と主記憶装置の間に置かれる記憶装置をいう。通常,CPUの処理速度は主記憶装置の書き込み・読み出し速度よりも速い。主記憶装置の処理を待っているとCPUの処理が滞る。それを解決するために,主記憶装置よりも高速なキャッシュメモリを設置し処理の高速化を図る。キャッシュメモリには高速SRAMが使用される。

協調検証
● co-simulation
 プロセッサモデルとシステムモデルとを結びつけ,ハードウエアとソフトウエアを同時にシミュレーションする方法。システムLSI開発では最適なハードウエア/ソフトウエア分割の検証,システム検証に用いられる。

鏡面ウェハ
● mirror polish wafer
 表面を鏡面状に研磨(鏡面研磨)したウェハ。その表面は原子レベルで平坦である。IC製造工程では,鏡面ウェハが使用される。

強誘電体
● ferroelectric material
 外部からの電界の方向によって,自発分極の向きが変わる誘電体のこと。

強誘電体メモリ
● ferroelectric random access memory
 ▽FeRAM(FRAM)

キルビー特許
● Kilby patent
 米国テキサス・インンスルメンツ社のJack.S.Kilby氏が1959年に出願したICの特許。チップ内の素子を結んだ構造。1986年には日本で公告された。

組立工程
● assembly and testing process
 ▽後工程

グリーン購入
● green purchasing
 1999年に制定された「環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)によって官公庁などが環境に優しい物品を購入すること。

グリーン調達
● green procurement
 メーカが必要な部材を調達するとき,国際規格に準拠した環境体制ができた(ISO14001を取得した)取引先から優先的に部材を購入したり,省エネ性に優れたあるいは有害物質を含まない部材を優先的に調達すること。これに対し行政機関が製品を購入する場合,環境に配慮した製品を優先的に購入するため制定された「環境物品等の調達の推進等に関する法律」(グリーン購入法)によって環境に優しい物品を購入することをグリーン購入(green purchasing)という。

クリーンルーム
● clean room
 ICの製造を行うためには,非常に清浄化された環境が必要である。超微細パターンを使用しているため,微量のゴミ(パーティクル)や金属,各種イオン,有機物などの不純物が存在すると,パターニング時の形状不良につながり,ICの歩留り,性能,信頼性などの低下の原因になる。そこで,ICの製造はクリーンルームと呼ばれる,非常に清浄な環境条件を保ち,同時に温度・湿度を制御・モニタしている工場内で行われる。クリーンルームの清浄度のレベルは,存在するゴミの粒径と個数によって「クラス」という名前で表される。清浄環境を実現するため,クリーンルームでは天井のフィルタから網目状になっている床に向かって絶えず空気を流し続けている(ダウンフロー)。人は大きな汚染源になるため,クリーンルームに入るには,全身を覆う防塵服を着用しなければならない。クリーンルームの建設コストや運転コストを下げる目的で,クリーン度に応じてSMIFやFOUPなどの局所クリーン化方式が採用されている。
 →FOUP,SMIF

クロストーク
● cross talk
 回路や配線に,寄生容量などの影響によって不必要な信号が漏れること。漏話。チップ内では配線の寄生容量が,ゲート容量や対基板容量と比べ,信号線間との結合容量が大きいときにより顕著となる。ロジックICでは,クロストークによって動作しているゲートからの出力論理が反転する。もしくは,出力タイミングが変化する現象が生じ,誤動作や処理速度の低下につながることがある。

クロックスキュー
● clock skew
 同期回路を制御するクロック到達時間のばらつき。単にスキューともいう。クロック信号が伝わるドライバや経路の違いにより生じる。スキューが大きくなると,クロック周期短縮の妨げとなるばかりでなく,誤動作の原因となる。この対策としてロジックICでは通常,CTS(Clock Tree Synthesis)によって,クロック発生回路から数段のバッファツリーを経由してフリップ・フロップ(FF)やRAMなどへの同期回路へと,到達時間を極力揃えたクロック信号の分配方法などが採用されている。

ゲートアレイ
● gate array
 ASICの一つ。開発期間と費用を減らして多品種少量の需要にも応えられるセミカスタムのデジタルIC。基本セルを並べたマスタウェハ(配線の直前のウェハ)を準備しておき,ユーザの論理回路図とタイミングチャートをもとに配線を行う。短期間にLSIが提供できる。従来は配線領域とゲート領域が分離固定されたタイプであったが,最近はチップ全面にゲートを敷きつめ,自由に配線領域とゲート領域を設定できるSOG(Sea of Gate)型ゲートアレイが主流となっている。
 →ASIC,マスタスライス

コーデック
● CODEC
 符号器(Coder)・復合器(Decoder)の合成語。電気信号を一定の符号に変換する符号化機能と,それを元に戻す復合化機能をもつもの。このLSIは,通信,インターネット,モデムなどで使用される。
 →デコーダ

高誘電体膜
● high dielectric constant film
 ▽High-k

国際電気標準会議(IEC)
● International Electrotechnical Commission
 ▽IEC

国際標準化機構(ISO)
● International Organization for Standardization
 ▽ISO

故障検出率
● fault coverage
 総故障数に対する検出可能な故障数の割合。一般には,単一縮退故障 (stuck-at fault)を対象とした故障検出に用いられる。

固定小数点
● fixed point
 コンピュータが数値を扱うときの表現方法の一つ。小数点が特定の位置に固定されている数値の表現方法。表現できる数値の範囲は浮動小数点と比較すると狭いが,計算速度は速い。小数点を一番右に固定した固定小数点数が整数である。整数は最も計算速度が速い。
 →浮動小数点

コマーシャルサンプル
● commercial sample
 CSともいう。ユーザに最終評価を行うために渡すサンプルで,半導体メーカでは社内評価や信頼性試験を終えた状態のもの。これに対し,IC開発途中で機能や性能を評価するためのサンプルをエンジニアリングサンプル(ES)という。
 →ES

コンバータ
● converter
 交流を直流に変換したり,電圧を変換したり,周波数を変換する回路または装置をいう。電圧を変換する回路で,たとえばDC-DCコンバータは,直流(DC)を一度交流に変換して電圧を変え,整流し,再度直流(DC)に変換する。DC-DCコンバータは携帯機器に多く用いられる。電池からの電源電圧を,各ICやディスプレイが必要とする電圧に変換するためである。 
 →インバータ

コンパイラ
● compiler
 編集(compile)を意味する。主にC言語などの高級プログラミング言語で記述されたプログラムを一括して翻訳し,プロセッサで実行できるオブジェクトコード(機械語)を生成するプログラムをいう。一般的なコンパイルの手順として,高級言語でプログラミングされたソース・コードを読み込み,その文法を解釈して,オブジェクトコードに変換する。その後,処理速度の向上やメモリ容量削減のための最適化処理を行う。通常,マイクロコントローラ/マイクロプロセッサの場合,パソコン上でコンパイルを行うが,このように実際のプログラムが動作するハードウエアと異なるハードウエア上でコンパイルするものを「クロスコンパイラ」という。これに対し,パソコンのアプリケーション・ソフトウエアのように,同じハードウエア上でコンパイルするものを「セルフコンパイラ」という。

コンパレータ
● comparator
 比較器。複数の入力信号電圧の大小を比較し,それに応じてハイレベル(高レベル)またはローレベル(低レベル)の電圧を出力するもの。出力側がTTLなどの汎用ロジックICと直結できるようになっている。

[サ行]    topへ

サイクルタイム
● cycle time
 メモリの読み出し,書き込みなどの動作の繰り返しに要する時間。一般規格では最小の時間を規定し,単位はns(ナノ秒,10?9秒)。

最小寸法
● minimum dimension
 半導体のパターン設計で使用される最小の寸法。一般に配線ピッチやトランジスタのゲート長などで表される。
 →設計基準

サインオフ
● sign off
 ASICベンダ(半導体メーカ)がユーザ(ASIC発注者)からネットリストを受け取るとき,論理シミュレータでエラーがないことを確認して,受け入れを決めること。最近では承認の意味で使われている。サインオフ後,ASICベンダはチップ製作に取りかかれる。サインオフは,従来ネットリストレベルで行われてきたが,現在はRTLでのサインオフも検討されている。

サブストレート
● substrate
 半導体デバイスを作り込む単結晶基板のこと。シリコン・ウェハもその一つ。フォトマスクの基板,電子回路モジュールの基板などをいう場合もある。一般には下地シートという意味で使われる。
 →ウェハ

サブマリン特許
● submarine patent
 米国では従来,特許の存続期間が「成立より17年間」と定められていたため,審査を引き伸ばすことによって権利期間の始期をコントロールすることが可能であった。このため,出願公開の制度がなかったことも相まって,突然に,しかも競合他社の動向を見定めた適当なタイミングで特許を出現させ,当該特許権の行使をすることが可能であった。密かに沈んでいて,あるとき突然姿を現すのでサブマリン(潜水艦)特許と呼ばれている。

酸化膜
● silicon dioxide
 ▽二酸化シリコン

紫外線露光
● ultra-violet light exposure
 UVリソグラフィ。IC製造工程でマスク・パターンをウェハ上に転写するための露光工程において,紫外線領域の波長を有する光源を用いた露光法。i線(波長365nm)ステッパなどがある。
 →リソグラフィ

シグナル・インテグリティ
● signal integrity
 デジタル信号の波形品質,もしくは完全性のこと。ロジックICにおけるシグナル・インテグリティ保証とは,内部を伝播する信号に,クロストークや配線のIR(電流・抵抗)による電圧降下などに起因した予期しない歪みを抑えることを指す。

システムLSI
● system LSI
 SoC(system on a chip)ともいう。装置(システム)のほとんどの機能を1チップ上で実現したLSI(大規模集積回路)。これまで複数のICを組み合わせて構成していた機能を1チップに集約する。携帯電話機にみられるように,小型で高性能な機器を効率良く実現できる。主に,プロセッサとメモリ,入出力回路,インタフェース回路,通信回路などから構成される。アナログ回路を搭載したLSIもある。回路規模が大きく設計に時間がかかるため,動作を確認した既存の回路ブロックを再利用する方法が不可欠になった。この再利用できる回路ブロックのことをIP(Intellectual Property:設計資産)という。IPには,MPU(Microprocessor Unit)やDSP(Digital Signal Processor),メモリといった基本モジュールだけでなく,たとえばUSBインタフェース回路など特定の目的のために設計した回路もある。
 →DSP,IP,USB


システム設計
● system design
 ICで1個のチップにもたせるべき機能や構成を決めるための,ハードウエア設計の最上位工程をいう。システム設計ではハードウエアとソフトウエアの分担を決めるアーキテクチャ設計が重要となる。

自動テストパターン生成
● automatic test pattern generation
 ICの回路故障を検出するテストパターンを自動的に発生させること。略してATPG。特定した故障を想定しシステムのアルゴリズムに基づいてテストパターンを生成する方法と,特定の故障を想定せずにランダムにテストパターンを発生させる方法とがある。現在ではICの設計時,論理合成と同時にテストパターンが発生できるなど操作性,性能ともに向上している。とくにシステムLSI(SoC)のような大規模ICを設計する場合には,ATPGが必須となっている。

シミュレーション
● simulation
 現実の事象をモデル化して試みることによって,どのようなことが起こり得るか調べる方法。「疑似」や「解析」という意味をもつ。シミュレーションをする装置またはソフトウエアをシミュレータという。現実の装置で動作を確認することが困難な場合に用いる設計手法。LSIやシステムを製造してから動作確認していては時間とコストがかかる場合に,シミュレーションすることで時間とコストの削減を図ることができる。
 →SPICE,論理シミュレーション

シリコン・サイクル
● silicon cycle
 半導体産業特有の3?5年周期で訪れる好不況の波。液晶ディスプレイ(LCD)の場合,同様な好不況の波を「クリスタル・サイクル」という。

シリコン・ファンドリ
● silicon foundry
 ▽ファンドリ

シンクロトロン
● synchrotron orbital radiation
 リング状の電子加速器のこと。略してSOR。物性の評価や解析に用いられている。半導体では装置途中の数個所の電子湾曲部で発生する軟X線を取り出し,LSI露光の光源として利用することも研究されている。この軟X線は非常に均質で良好な特性をもち,波長も1? 5nmと短く,次世代LSI露光の光源一つとして期待されている。

シンクロナスDRAM
● synchronous DRAM
 外部から入力するクロック信号に同期してデータを入出力するDRAM。

真性半導体
● intrinsic semiconductor
 半導体中において,単位体積あたりの価電子数をn,正孔数をpとしたとき,nとpが等しい場合を真性半導体という。これに対し,真性半導体に,他の原子を少し混ぜ,nとpのバランスを変えたものを不純物半導体といい,リン(P),ひ素(As),アンチモン(Sb)などの不純物元素を添加したものをn型半導体,ボロン(B),アルミニウム(Al)などの不純物元素を添加したものをp型半導体という。
 →半導体

スクラバ
● scrubber
 IC製造工程でウェハを回転させながら,ブラシを適当な圧力で接触させ,純水を流しながらブラシを回転・移動して,ウェハ表面の塵埃・堆積物を除去する洗浄機。

スケーリング則
● scaling law
 比例縮小法,スケールダウン則ともいう。ICの基本となるトランジスタの性能向上を微細化によって実現させるための基本ルールである。

スタックドパッケージ
● stacked package
 一つのパッケージに複数のICチップを積層・搭載したパッケージ。異なる種類のチップや同種のチップを積層することにより,実装面積の削減が可能であり,同一面積でのデバイスの大容量化,高機能化が実現できる。

スタンダードセル
● standard cell
 あらかじめ設計され標準化されている機能セルを組み合わせて配置・配線することで,チップ全体を設計するセミカスタムLSI。ASICの一種。ゲートアレイよりもカスタム色が強い。ゲートアレイに比べてセルは最適設計されておりチップ面積の無駄も少ないが,チップごとにすべてのマスクを作成する必要があるため開発費が高くなり開発期間も長くなる。ゲートアレイよりも高機能なLSIを中量以上生産するのに適している。スタンダードセル方式のLSIにはロジックだけでなく,メモリやアナログ回路も内蔵できるので多様なシステムを1チップ化できる。
 →ASIC,ゲートアレイ

ステッパ
● stepper
 縮小投影露光装置。IC製造工程でマスク・パターンをウェハ上に転写する露光工程で使用する装置。マスク(レティクル)をレンズ光学系を介してウェハ上に縮小投影し,繰り返し転写(Step and Repeat)することからこの名がついた。露光光源には,可視光のg線(波長436nm),紫外線のi線(波長365nm),エキシマレーザのKrF(波長248nm),ArF(波長193nm)などを使う。転写時の縮小率は,4対1,5対1,10対1などがある。

スパッタリング
● sputtering
 スパッタともいう。物理気相成長(PVD)の一つ。真空中にアルゴンなどの放電用ガスを注入して,電極に電圧を加えるとグロー放電が発生する。このとき,プラズマの中のイオンが陰極のターゲットに衝突して原子をはじき出す現象(スパッタ)。これを利用して気相成長やエッチングを行う。
 →CVD,PVD

スループット
● throughput
 単位時間内に処理できる仕事量のこと。または,ある仕事を処理するのに必要な時間のこと。LSI分野や電子機器・部品工場では,製造ラインの処理能力を表す。入出力のための準備や後始末などの処理待ち時間も含む。狭義のコンピュータ用語としては,コンピュータの処理能力を示す。

製造物責任
● product liability
 PLともいう。製造物責任(PL)とは,米国で発展した法律概念。製品の欠陥が原因で消費者が怪我をしたり,物品が破損するなどの被害が生じた場合に,製造物やそれに使用される原材料・コンポーネントのメーカ,設計者,製造者,販売業者,保守サービス業者,その他製品に関与した者に被害者の損害,損失または懲罰的損害を賠償する責任を負わせること。日本では,1995年7月に「製造物責任法」(PL法)として施行された。

世界知的所有権機関
● World Intellectual Property Organization
 ▽WIPO

世界半導体市場統計
● World Semiconductor Trade Statistics
 ▽WSTS

設計基準
● design rule
 設計ルール,デザインルールともいう。ICを設計する時,素子各部の平面的寸法や相互の位置関係,素子間の立体的位置関係などを定めた基本規則(ルール)のこと。このルールで設計を行えば,所要の動作特性,信頼性などを得ることができる。
 →最小寸法

設計検証
● design verification
 ICの各設計工程における設計の誤り,漏れの検出および設計完成度の確認作業を指す。代表的な検証ツールとしては,仕様レベルや機能レベルでは機能レベルシミュレータ,論理レベルでは論理シミュレータ,トランジスタ回路レベルでは回路シミュレータ,マスクレイアウトレベルではDRC,LVSなどがあり,各設計工程に応じた確認が可能である。特に,HDLを用いたトップダウン設計手法では,機能設計段階での設計検証(HDLシミュレーション)ができるため,早期設計段階で高い設計品質と短い設計期間を確保することができる。
 →DRC,HDL,LVS

セルベースIC
● cell based integrated circuit
 ▽ゲートアレイ,スタンダードセル

走査型電子顕微鏡
● scanning electron microscope
 SEMともいう。高倍率・高分解能の機能をもつ高性能顕微鏡。ICの3次元微細構造観察や測定に使用される。これは,電界や磁界によって加速,収束した電子ビームを材料や試料表面に照射,走査して放出された2次電子などを観察できるようにしたもの。この装置技術の応用に電子ビーム露光装置がある。

挿入実装
● insertion mount
 プリント基板などのIC実装方法の一つ。パッケージのリード(端子)を基板の穴(ホール)に差し込み,はんだ付けを行なう方法である。これに対して,基板表面に装着する実装を表面実装(SMT)という。
 →表面実装

[タ行]    topへ

ダイ
● die
 ▽チップ

ダイシング
● dicing
 ウェハ製造工程で完成したウェハ上のチップを,スクライブラインに沿ってダイヤモンドカッタ(ブレード)で切断し,個々のチップに分割する工程。ダイシングには,ウェハ切断時にウェハの厚みを一部残して切り込むハーフカット法と,完全に切断するフルカット法とがあるが,チップの割れ・欠けなどの品質面で有利なフルカット法が現在の主流となっている。

多層配線
● multi-layer interconnection
 2層以上の複数配線を縦方向に積み重ねたICの配線構造。一般的には,アルミニウム(Al)や銅(Cu)のメタル配線を意味する。最近では,システムLSIのように大規模化・大集積化となったため,多層配線が多く利用されている。

ダマシン
● damascene
 メッキ技術とリフトオフ法(マスクの白欠陥修正方法)を併用した薄膜形成法。銅(Cu)配線で注目された方法で,多層配線層を平坦にするCMP(Chemical Mechanical Polishing)技術と組み合わせて使われている。絶縁層に微細な金属配線層を埋め込む象嵌(damascene)的手法からこの名がある。
 →CMP,銅配線

単一電子トランジスタ
● single electron transistor
 1個の電子のトンネリングによる電圧変化を利用するトランジスタ。薄い絶縁膜を設けた微小なキャパシタを利用したトランジスタが開発されている。

単電子デバイス
● single electron device
 →単一電子トランジスタ

チップ
● chip
 ダイ(die)ともいう。ICやLSIの代名詞として使われている。デバイス機能あるいは電子回路を作り込んだシリコン基板の小片。ICの種類によって,また同一技術でも回路の複雑さや集積度によって,チップの寸法はいろいろなものがある。製造工程ではペレット(pellet)とも呼ぶ。またパッケージされたICの完成品をチップということもある。
 →ダイ

チップセット
● chip set
 一つのまとまったシステム機能を実現するために必要とされる,お互いに関連性の高いICチップの組み合わせのこと。

チャンバ
● chamber
 物理的,化学的反応を起こさせるための密封した反応容器。ICの製造では,CVD,スパッタリング,エッチングの各装置で使われている。

直接描画
● direct writing
 ▽電子ビーム露光

低誘電率膜
● low dielectric constant film
 ▽Low-k

デコーダ
● decoder
 復号器。符号化された信号や情報を復元する機能をもつ。解読器ともいう。メモリでは,メモリセルの選択に使う回路をデコーダという。
 →エンコーダ

デザインルール
● design rule
 ▽設計基準

デジタル・シグナル・プロセッサ
● digital signal processor
 ▽DSP

テスト容易化設計(DFT)
● design for testability
 大規模な論理回路に対し,故障検出率向上と試験時間短縮のためLSI内にテストを行う仕掛けを組み入れた技術。スキャンパス方式(すべてのフリップ・フロップをシフトレジスタとして動作させられるように回路を追加し直列接続したもの),論理BISTなどがある。
 →BIST

デバイス設計
● device design
 ICの3次元的構造を決める設計。構成要素素子,素子間分離,配線系などに関する形状,電気,物性の各特性に関する各技術要素をもとに,目的とする特性を得るようにICの構造を設計すること。

デバッグ
● debug
 設計品のバグや誤りなどの原因を調べ,それを修正すること。作成したプログラムの異常な部分をバグ(虫の意味)と呼び,バグを探し出して取り除く作業をデバッグという。デバッグをサポートするツールとしてデバッガがある。

デポジション
● deposition
 堆積のこと。LSI製造工程で薄膜を堆積する工程をいう。気相成長法(PVD,CVD,真空蒸着やスパッタリング法)を用いる。このほか膜形成の手段には,印刷法,スピンコート法,メッキ法などもある。かつては印刷法(スクリーン印刷)は厚膜形成,蒸着法などは薄膜形成と分かれていたが,最近ではスクリーン印刷法でも金属薄膜が形成できるようになった。
 →CVD,PVD

デュアルダマシン
● dual-damascene
 ▽ダマシン

デューティ比
● duty ratio
 デューティともいう。クロックなどの信号の周期に対する「High」や「Low」の時間の比率。「High」,「Low」の時間が同じならデューティ比は50%となる。

電子ビーム露光
● electron beam exposure
 電子線露光,EB露光ともいう。IC製造工程でウェハ上に塗布したフォトレジスト(感光性樹脂)にパターン転写を行う露光法の一つ。電子ビームの走査方式(描画方式)には,ラスタ走査方式とベクタ走査方式がある。ラスタ走査はテレビの走査線のように端から順に走査する方式。描画露光に時間がかかるので最近はベクタ走査方式が多い。その代表的な装置が,マスクの描画用に使われている露光する電子ビームの形状を矩形や三角形にして,スループットを高めた可変成型の電子ビーム露光装置(マスク描画装置)である。ウェハ上に直接,電子ビームでパターンを露光する電子ビーム直接描画(ML2:Mask-Less Lithography)装置も微細パターン用に使われている。量産に向けて,スループットを高め,焦点深度が深いという特徴を生かした装置が開発されている。シングルコラム(鏡筒)のブロック露光方式とマルチビーム方式がある。マルチビーム方式にはマルチビーム可変矩形方式や電子源をマトリクス状に配置した面状電子源方式,大面角に配置した並列ビームを同時に走査するCLA(Correction Lens Array)方式などが開発されている。また,マスクを使う電子ビーム直接露光装置には低加速電子ビームを使う等倍露光方式( PEL:Proximity EB Lithography)と,縮小マスクを使うEPL(EB Projection Lithography)とがある。
 →リソグラフィ

統計的工程管理
● statistical process control
 ▽SPC

銅配線
● copper wiring
 ICの配線材料としてはアルミニウム(Al)が一般的である。これを銅(Cu)に変えると,従来のアルミニウム系の材料に比べて電気抵抗率が約半分となり,高速化が可能となる。このためMPU(microprocessor unit)など高速のLSI配線材として採用されている。LSIはこれまで微細化によって素子の高集積化と動作周波数の向上を追求してきたが,配線遅延が動作周波数の向上を妨げるという問題が生じている。微細化が進むとともに配線ピッチが小さくなる。その結果,配線の抵抗と配線間の容量が増加し,配線による信号の遅れが大きな問題となり,銅配線の採用が増えている。

ドーピング
● doping
 半導体製品の製造においては,純粋な半導体にごく少量の添加物を混入(添加)すること。添加物は通常,不純物(ドーパント)と呼ばれ,ドープされた半導体を不純物半導体と呼ぶ。添加物の種類と濃度によってさまざまな性質の半導体を形成する。代表的な添加物には,ドナーと呼ばれる?価の金属(アンチモン,ひ素,リンなど)とアクセプタと呼ばれる?価の金属(ほう素,ガリウム,インジウムなど)がある。半導体にドナーをドープすると,結晶格子中に共有結合に使われない自由電子を与え,混入の程度によって比抵抗を下げる。このような半導体をn型半導体を呼ぶ。また,半導体にアクセプタをドープすると,共有結合に必要な電子の欠乏による正孔が発生して同様に比抵抗を下げる。このような半導体をp型半導体と呼ぶ。これらの不純物半導体を接合(pn接合)することによって,ダイオードやトランジスタが作られる。
 →pn接合

トップダウン設計
● top down design
 半導体集積回路の設計工程において,上流から下流つまり抽象度の高さの順に仕様レベルから機能レベル→論理レベル→トランジスタ回路レベル→マスクレベルというように段階的に設計を進めることをいう。これに対して,マスク設計でトランジスタ性能を考慮して,小さなセルから設計を始め,より大きなモジュール,さらにブロックまでを設計することも必要となる。この設計の流れはボトムアップ設計という。

ドライエッチング
● dry etching
 ▽エッチング

トリミング
● trimming
 微調整という意味で使われる場合が多い。テレビなどのアナログ回路では,部品の特性誤差による電圧や電流の誤差を半固定の抵抗器やコンデンサで調整する。また,基板上に作った薄膜や厚膜の抵抗器などを,レーザ光やサンドブラシで抵抗値を規定の範囲内に収めることをいう。

トンネル効果
● tunnel effect
 あるエネルギー粒子がそのエネルギーより高いエネルギー障壁を透過する現象。この特性を利用したのが,トンネルダイオードである。

[ナ行]    topへ

ナノテクノロジ
● nanotechnology
 1ナノメートル(nm)とは10億分の1メートルというサイズを表し,原子5個分程度の大きさに相当する。米国の物理学者Richard P. Feynmanによって提唱され,クリントン大統領の「国会図書館の情報を1個のチップに収める」という国家プロジェクトによって一気に広まった。エレクトロニクス,先端材料,バイオ,化学,医療,エネルギー,環境などあらゆる分野で大きな市場が見込まれている。

鉛フリーはんだ
● Lead(Pb)-free soldering, Pb less solder
 鉛(Pb)を含まないはんだ(フラックス,ペースト)および実装技術。環境や人体に有害となる鉛を削減しようという狙い。鉛フリー(鉛レス)といわれるはんだ技術の中には,まったく鉛を含まないものから鉛の含有量を削減したものまで各種ある。一般に,はんだは鉛と錫の合金(Pb-Sn)であるが,これに代わって錫と銀の合金(Sn-Ag)に銅(Cu)やビスマス(Bi)を添加したもの,錫とビスマスの合金(Sn-Bi)に銅(Cu)や銀(Ag)を添加したもの,また錫と亜鉛の合金(Sn-Zn)にインジウム(In)や銅(Cu),銀(Ag)を添加したものなどが開発されている。しかし,その組成によっては,はんだ付けの温度が高くなったり,窒素(N2)ガスを使った不活性雰囲気で使用しなければならないなど課題も多い。

二酸化シリコン
● silicon dioxide
 一般に「酸化膜」という。シリコン酸化膜ともいう。シリコン(Si)と酸素(O2)の化合物(SiO2)で,非常に安定な膜である。ICのMOSトランジスタのゲート絶縁膜やその他さまざまなところで用いられる。
 →SiO2,プレーナ特許

熱CVD
● thermal CVD
 CVDの一つ。熱化学気相成長法ともいう。ウェハや膜堆積用材料ガスを200?900度に加熱し,イオン・ラジカルなどを発生させてウェハと化学反応を起こし成膜する方法で,成膜時の圧力によって,常圧CVD,減圧CVDに分類される。
 →CVD

ネットリスト
● net list
 ゲート情報,およびゲート間の接続情報が記述された回路データ。ネットリストを用いてASICのマスク・パターン設計やFPGAへの回路形成を行う。
 →ASIC,FPGA,レイアウト設計

[ハ行]    topへ

バーンイン
● burn-in
 半導体の初期不良を除去する選別手法の一つ。温度や電圧を印加し,動作させた状態で行う加速試験。

パーティクル
● particle
 微粒子のこと。塵埃。IC製造の拡散工程において,パーティクルは大敵である。パーティクルの存在はICに構造欠陥を生じ,特性・信頼性の劣化,歩留りの低下を引き起こす。
 →クリーンルーム

ハードウエア記述言語
● hardware description language
 HDL。LSIをはじめとする半導体デバイスの回路設計のために使われるプログラミング言語。設計効率化のために,上流設計で使われる。1980年代から使われるようになった。代表的なHDLには,VHDL(VHSIC hardware description language)とVerilog-HDLがある。 
 →Verilog-HDL,VHDL

ハードマクロ
● hard macro
 回路接続情報(ネットリスト)で登録されているセル。デバイスの種類,デザインルールなどのプロセス技術に依存するので設計の自由度には欠けるが,配置配線の最適化などを行うことでチップ面積は小さくできる。従来からの設計資産(半導体IP)のほとんどはハードマクロである。
 →IP

バイオメトリックス
● biometrics
 生体のもつ固有の特徴(身体的な特徴)を利用して,本人であるか,そうでないかの認証を行う技術。指紋や声(声紋),虹彩(アイリス)のように人それぞれ異なる要素を「鍵」にするため,偽造が難しく,盗難もほぼ不可能という特徴をもつ。パソコンを起動したり,LANやインターネットなどのコンピュータ・ネットワークにアクセスするときの「なりすまし」を確実に防止する技術として注目されている。最近では静脈(血管)パターンや網膜,DNA(遺伝情報)を使うものまで技術の幅が広がっている。

ハイブリッドIC
● hybrid IC
 混成集積回路ともいう。大別すると薄膜ハイブリッドICと厚膜ハイブリッドICに分けられる。一般に,真空蒸着やスパッタリングで導体パターンと抵抗などを成膜形成し,能動部品(半導体素子)を搭載したものを薄膜ハイブリッドIC,スクリーン印刷で導体パターンと抵抗などを形成し,能動部品を搭載したものを厚膜ハイブリッドICという。基板にはセラミック基板を使う場合が多い。全体を樹脂などでパッケージングした構造をとる。半導体ICだけでは困難とされる高精度,高周波数,高耐圧,大電力を要求する分野に利用されている。機能によってMCM(multi-chip module)や回路モジュール,回路ユニットなどとも呼ばれる。なお能動部品を搭載せず,回路部品だけのものを抵抗器モジュール,コンデンサモジュールなどという。

バイポーラ・トランジスタ
● bipolar transistor
 電子と正孔の両方をキャリア(運び役)として利用するトランジスタ。npn型とpnp型の2種類がある。エミッタ,ベース,コレクタの3電極があり,ベース電極に流す電流によってエミッタとコレクタ間の電流を制御する。増幅に適し電流駆動能力が大きい。トランジスタ単体として,またバイポーラICの中で広く使用されている。

バス
● bus
 CPU,メモリ,周辺回路間等のデータ転送において,同じ種類の情報を一括して効率的に転送するため,信号経路を1組にまとめたものをいう。転送される情報の種類によって,アドレスバス,データバス,コントロールバスに大別される。

パターン・レイアウト
● pattern layout
 ICの回路図や論理回路図を基にしてICチップ内にトランジスタ,FET,ダイオード,抵抗,コンデンサなどの各種部品を配置し,各部品相互間の配線経路を定めることをいう。大規模LSIになると各種部品の配置および配線は,チップの性能やサイズを左右するため,困難さと非常に多くの時間を要する。このため各種の自動レイアウト・ツールが開発され,使われている。さらにチップ面積を小さくしたい場合は,設計者が直接配置を決定する。

バックエンド・プロセス
● back end process
 半導体の前工程(ウェハ工程)では,上地(うわじ)工程のことをいう。素子を相互に接続するための配線あるいは電源やグランド(接地)用の配線構造を作る工程。層間絶縁膜形成,デュアルダマシン構造,パッド形成などがある。これに対して,トランジスタなどの素子を作り込む工程のことを下地(したじ)工程またはフロントエンド・プロセスという。
 →フロントエンド・プロセス

パシベーション
● passivation
 半導体素子の表面保護膜を作る工程。この表面保護膜をパシベーション膜という。通常,ウェハ工程の最後に行われ,パッケージング工程および使用環境から半導体素子を機械的,化学的に保護する。酸化膜や窒化膜が用いられる。

パッド
● pad
 ▽ボンディング・パッド

半導体
● semiconductor
 金属のように電流が流れやすい「導体」と,ガラスのように電流がほとんど流れない「絶縁体」との中間の電気伝導性をもつ物質。電圧をかけたり,光を当てたり,熱を加えたりすることで,電気を流したり流さなかったりする性質がある。また,不純物の添加量によって電気伝導度を制御できる。こうした特性から,半導体はトランジスタやICだけでなく,半導体レーザや各種センサなど,多くの電子デバイスに使われている。素材としては,シリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)などの物質が使われる。一般に不純物を含まない真性半導体は電気伝導度が小さく,絶縁体と似た性質をもっているが,ごく微量の不純物を添加することで,大きく性質を変えることができる。不純物(添加物)としてボロン(B),リン(P),ひ素(As),アンチモン(Sb)などが使われる。
 →真性半導体

反応性イオンエッチング
● reactive ion etching
 ▽RIE,エッチング

バンプ
● bump
 ICの電極部にメッキで形成した突起のこと。通常,金(Au)またははんだ(Sn-Pb)の電気メッキで形成し,TABやフリップチップにおける基板接続のために使用する。高密度半導体の需要増加で,“チップ面積の縮小”と“多ピン化”といった相反する要求に対応するため,ボンディング装置などの加工精度に比較的依存しにくい基板接続手法が必須となっている。実装手法の例として下記が上げられる。?金バンプ(TAB実装:Tape Automated Bonding):フレキシブル基板(ポリイミド)に形成されたボンディング用のリード(インナリード)とIC上のバンプを一度に接合する手法 ,?金バンプ(COG実装 Chip on Glass):液晶パネルへのIC実装方法として最近注目されている。液晶パネルに形成された基板電極部に金バンプ付きICチップを直接実装する手法 ,?フリップチップ実装:共晶はんだ(Sn:Pb=6:4)によって,相手側の基板電極とIC側の全てのバンプを同時に接合する。金バンプのTABやCOG実装と同様であるが,フリップチップ実装は再生交換が可能なことが特徴である。
 →TAB,フリップチップ

汎用IC(LSI)
● general purpose integrated circuit
 用途を特定しないIC(LSI)。
 →ASIC

ピエゾ素子
● piezoelectric device
 ▽圧電素子

光CVD
● photo chemical vapor deposition
 ▽CVD

ピクセル
● pixel
 画素。ディスプレイや撮像素子の機能単位。
 →CCD,画素

比誘電率
● relative dielectric constant
 物質の空気に対する誘電率の比のこと。真空の誘電率をεo,物質の誘電率をεとすると物質の比誘電率はεr=ε/εoで表わされる。
 →誘電率

表面実装
● surface mount
 ICや電子部品をプリント配線板などの基板表面に装着(実装)する形態または技術。SMT(Surface Mount Technology)ともいう。
 →SMD,SMT,挿入実装

ファームウエア
● firmware
 特定のハードウエアの基本処理動作を記述したソフトウエアで,ハードウエア(ROM)に組み込まれる場合が多い。ハードウエアとの対応が極めて強く,変更が少ないため,ハードなソフトウエアという意味でファームウエアと呼ばれる。

ファブレスメーカ
● fabless maker
 ファブレスともいう。自社で設計した半導体デバイスを自社ブランドで販売している半導体企業でありながら,自社に製造工程(FAB:Fabrication Process)をもたない企業。製造工程は他の半導体メーカに外注委託をして賄う。製造工程への膨大な設備投資をすることなく,優れたアイデアと設計能力でビジネスを行うシリコンバレー型ベンチャー企業の典型的形態である。
 →ファンドリ

ファンアウト
● fan out
 一つの論理回路出力端子に接続できる次段の論理回路数をいう。一つの論理回路の出力端子に接続できる次段の論理回路の入力の数をnとする場合,論理出力端子のファンアウト値はnであるという。ファンアウトは出力端子の駆動能力値を表す。ファンアウトの逆のものをファンインという。

ファンドリ
● foundry
 シリコン・ファンドリともいう。半導体デバイスの前工程の製造を請負う企業。
 →ファブレスメーカ

フォトエッチング
● photo etching
 写真の原理を利用した微小加工技術。方法自体は印刷用の写真製版作成に古くから用いられているものと同じ。トランジスタやICの製造には不可欠なもので,高精度が要求される。たとえば,基板をエッチング加工する場合,基板にフォトレジスト(感光性樹脂)を塗布する。その後,マスクを用いて露光,現像過程を経て,基板上にフォトレジストパターンを形成する。この後,基板をエッチングする,これがエッチングマスクとなる。これら一連の工程をフォトエッチングという。

フォトマスク
● photo mask
 レティクルという場合もある。IC製造工程でステッパなどによってウェハ上にマスク・パターンを転写する露光工程で使用される。石英製の板表面にクロムなどで一定の回路パターンを形成したものである。
 →リソグラフィ,露光

フォトリソグラフィ
● photo-lithography
 光を用いた写真食刻技術。
 →リソグラフィ

フォトレジスト
● photo resist
 感光性樹脂の一つ。フォトレジストにマスクを使って回路パターンを露光・現像しパターン転写を行う。これには,ポジレジストとネガレジストがある。

不揮発性メモリ
● nonvolatile memory
 電源を供給し続けないとデータが消えてしまう揮発性メモリに対して,電源の供給がなくてもデータを記憶しているメモリ。マスクROM,EPROM,フラッシュ・メモリ,FeRAM,MRAMなどがある。マスクROMは製造工程でマスク・パターンによってデータを書き込むのでデータが消えるどころか,データの変更がまったく不可能。これに対して,EPROMは電気的にデータを書き込み,紫外線の照射によってデータの消去が可能。フラッシュ・メモリは電気的にデータを書き込み,電気的にデータを消去可能。電源を切っても消去するという手立てを行わなければデータは残る。
 →EEPROM,EPROM,FeRAM,MRAM,揮発性メモリ,マスクROM

浮動小数点
● floating-point
 コンピュータが数値を扱うときの表現手法の一つ。数値を,各桁の値の並びである「仮数部」と,小数点の位置を表わす「指数部」で表現する方法。仮数部に,底を指数でべき乗した値をかけて実数を表現する。表現できる数値の範囲が広いため,科学技術計算などに向いている。小数点に関する処理が必要になるため,特定の位置に小数点を固定している固定小数点数に比べると,計算速度は遅い。表現できる数値の幅に応じて,単精度実数(一つの数値を32ビットで表現する浮動小数点のこと)や倍精度実数(一つの数値を64ビットで表現する浮動小数点のこと)などの種類がある。
 →固定小数点

物理気相成長
● physical vapor deposition
 ▽PVD

歩留り(ぶどまり)
● yield (rate)
 半導体の製造工程における良品率をいう。投入ウェハ枚数に対する完成良品ウェハ枚数の比率を表す工程歩留りや,1ウェハ当たりのチップ収量数に対しウェハテストで残った良品数の比率を表すチップ歩留りなどがある。一般に歩留りという場合,チップ歩留りを指すことが多い。

プラズマエッチング
● plasma etching
 ▽エッチング

プラズマ化学気相成長
● plasma chemical vapor deposition
 ▽CVD

フラッシュ・メモリ
● flash memory
 EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)がバイト単位で記憶情報を消去するのに対して,フラッシュ・メモリは記憶情報を全ビットあるいはブロック単位で一括消去できるメモリ。セル構成が簡略なため大容量化が可能で,ビット当たりのコストを低く抑さえることができる。正式にはフラッシュEEPROMという。
 →EEPROM

プラットフォーム
● platform
 共通基盤のこと。コンピュータの分野ではハードウエア・プラットフォームとして汎用コンピュータ,ワークステーション,パソコンなどを指し,ソフトウエア・プラットフォームとは基本ソフトウエア(OS)のことをいう。半導体分野では,システムLSIやアプリケーションソフトを短期間に開発できるよう半導体メーカが提供する開発環境をいう。プロセッサIP群などのハードウエアとOSやドライバなどのソフトウエア群で構成する設計環境を指す。さらにそれらをボードに搭載して,顧客がCPUの性能,OS,ミドルウエアなどの評価あるいは顧客システムのボード(ターゲットボード)完成以前にアプリケーション・ソフトウエア開発を進める時などに用いる開発ツールキットを提供する場合がある(その場合はリファレンス・プラットフォームと呼ばれる)。

フリップチップ
● flip chip
 ICチップ表面部の電極にバンプと呼ばれる突起電極があるチップ。
 →バンプ

ブレッドボード
● bread board
 IC,能動部品などの電子部品を用いて,目的とする機能を実現するための回路を仮に組み立てて,ハードウエア的に機能を検証するためのツールをいう。語源は「パン切り台」。ソフトウエアによるシミュレーションでは検証しきれない機能(ハードウエアの性能に依存したもの)のために製作するのが一般的である。また,ソフトウエアによるシミュレータに比較して,実行速度が速いという利点がある。

プレーナ特許
● planar patent
 シリコン(Si)単結晶表面の安定な酸化膜(SiO2)をトランジスタの保護膜に使うという特許(J. A. Hoerni,1959年)。接合部を終始,酸化膜で覆ったままトランジスタを作る工程を示した(プレ?ナ・トランジスタ)。それまでは露出した接合部をいかに安定させるかが大きな課題だった。電極は酸化膜に開けた窓(孔)から引き出す。この電極を蒸着で形成し,各トランジスタを切り離さずにそのままつないで集積回路(IC)としたのがプレ?ナ集積回路特許(R. A. Noyce,1959年)。全面に金属を蒸着し,不要な部分をエッチングで除去し,ベース電極とエミッタ電極にも使う。このプロセスは当初,安定な高速トランジスタ用に開発された。なおSiO2はMOSトランジスタのシリコン?酸化膜?電極という構造でも重要な働きを示す。

フロアプラン
● floor plan
 ▽レイアウト

ブロードバンド
● broadband
 広帯域のこと。高速な通信回線の普及によって実現される次世代のコンピュータ・ネットワークと,その上で提供される大容量のデータを活用した新たなサービス。光ファイバやCATV,xDSLなどの有線通信技術や,IMT-2000といった無線通信技術を用いて実現される,おおむね500kbps(ビット/秒)以上の通信回線がブロードバンドである。これに対して電話回線やISDN回線による数十kbpsの回線をナローバンドという。

プロービング
● probing
 ウェハレベル(チップをウェハから切断・分離する前)で,半導体デバイスの電気的テストを行うこと。チップのボンディング・パッドと電気的に接触するのに,金属の探針(プローブ)を使用することからこの名前がついた。チップのボンディング・パッドに電気的に接触し,不良チップにマーキングを行い,次の工程の処理を行わないようにする。

プロセス設計
● process design
 デバイス設計で決められたICの3次元的構造,構成要素素子,基本電気特性などを,IC製造の各プロセス・ステップにおいてどのような装置や手順で作るかその方法を決める設計。これは,個別プロセスの設計と,それら個別プロセスの組み合わせからなるプロセスフロー設計から成り立つ。
 →プロセスフロー

プロセスフロー
● process flow
 IC製造でウェハからスタートし,ICが作りこまれるまでの一連のプロセス工程の流れ。
 →プロセス設計

プロパテント政策
● pro-patent policy
 知的財産の権利取得と保護を強化するための施策を意味する。特許重視政策。米国はこの施策の一つとして特許関連専門の裁判所であるCAFC(The United States Court of Appeals for the Federal Circuit)の設立など,米国産業界の建て直しを図ったことは良く知られている。日本でも,特許裁判の迅速化や適切な損害賠償の実現,特許庁の出願審査の迅速化などのために特許法の改正や裁判制度の整備を行い,知的財産の保護強化にかかる諸施策を推進している。

フロントエンド・プロセス
● front end process
 IC製造工程(ウェハ工程)では,シリコン単結晶基板を対象としてトランジスタなどの素子を作り込む下地(したじ)工程のことをいう。ソース/ドレインやゲート酸化膜,コンタクトホールの形成工程がこれに相当する。これに対して,それらの素子を相互に接続するための配線あるいは電源やグランド(接地)用の配線構造を作る工程のことを上地(うわじ)工程またはバックエンド・プロセスという。
 →バックエンド・プロセス

平坦化技術
● planarization technology
 半導体製造工程において,ウェハ表面の凹凸をなくして平らな表面形状を得る技術。代表的なものに化学的機械的研磨(CMP)がある。多層配線で重要な技術。
 →CMP

ホールIC
● hall IC
 ホール効果を利用し,マグネットの磁力を電気信号に変換する磁電変換IC。センサ部(ホール素子)と周辺回路(アンプやシュミットトリガ)が同一パッケージに形成されており,マイコンなどに直接ロジックレベルで入力できる。ホールICは,FDDインデックスセンサ,モータの回転数検出,ブラシレスモータのコイル通電相切換センサ,テープレコーダのオートリバース/オートストップセンサなど多彩な分野で使用される。

ホットキャリア
● hot carrier
 ホットエレクトロンともいう。半導体中を走りながら大きなエネルギーを得た電子や正孔のこと。このキャリアがゲート酸化膜に飛び込み,しきい電圧などを変化させるなど特性の不安定要因となる。チャネル長が短くなり,表面化してきた。電源電圧を下げるとある程度改善できるが,一方では動作速度が遅くなる。このため,ソースやドレイン,チャネル領域の不純物濃度のプロファイルを工夫して,ホットキャリアの発生を抑える。この一つがLDD(Lightly Doped Drain:MOSトランジスタのソース/ドレイン構造の一つ)である。

ポリサイド
● polycide
 ゲート電極構造の一つ。プロセスの微細化に対応したゲート抵抗の低抵抗化のために用いられる構造。ポリシリコン(多結晶シリコン)とCVDあるいはスパッタリングで形成したシリサイド(ケイ素化合物)を重ねた構造。シリサイドとしてタングステン・シリサイド(WSi2),コバルト・シリサイド(CoSi2)やチタン・シリサイド(TiSi2)などが用いられる。

ボンディング・パッド
● bonding pad
 チップへの電源電圧の供給や外部との信号のやりとりは,通常リード線を介して行われる。このリード線と内部回路の各端子との接続のため,チップ周辺部に設けられた金属電極をボンディング・パッドという。ボンディング・パッドは,ボンディング工程で多少のずれが生じても確実に接続が行えて,しかも隣接ボンディング・パッド間での短絡が起こらないように,50?100μm程度の幅と間隔で配置されている。リード線とボンディング・パッドとの接続には,金属の融点以下でリード線をボンディング・パッドに加圧接触させる熱圧着法や,熱を加えず超音波振動を使った摩擦により接着させる超音波ボンディング法などが使われている。

[マ行]    topへ

マイクロコントローラ
● microcontroller
 ▽MCU

マイクロコンピュータ
● microcomputer
 単に“マイコン”ともいう。
 ▽MCU,MPU

マイクロプロセッサ
● microprocessor
 ▽MPU

マイクロマシン
● micro machine
 米国ではMEMS(Micro Electro Mechanical System),欧州ではMST(Micro System Technology)とも呼ぶ。シリコン・ウェハ・プロセスで培われた微細加工技術を用いて作製された可動部を含む微小機械システムの総称。代表的な応用例としてデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)がある。さまざまな分野で今後の応用が期待されており,光学分野の光MEMS,通信デバイス用RF(高周波)MEMS,医療・バイオMEMS,マイクロパワー源に関するパワーMEMSなどがある。現在では,マイクロレベルからナノレベルへ進展したNEMS(Nano Electro Mechanical System)も検討されている。
 →MEMS

前工程
● wafer process
  ウェハ・プロセス
 →後工程

マスク
● mask
 ▽フォトマスク

マスクROM
● mask read only memory
 ユーザの要求するメモリデータに従って,ICメーカで製造工程中にフォトマスクを使ってメモリセルに“1”または“0”を書き込むROM。マスクROMは他のメモリに比べてメモリセルの面積が小さく,大容量化も進んでいて安価にできる。ただし,書き換えができない。
 →PROM

マスタスライス
● master slice
 特定用途向けIC(ASIC)の一種。機能別に分けた回路が作り込まれている下地部のこと。用途に応じて配線を形成することで,異なった機能を実現できる。
 →ASIC

ミックスドシグナル
● mixed signal
 アナログ・デジタル混在回路。
 →アナデジLSI

ミドルウエア
● middleware
 データ圧縮/伸長機能,音声認識/合成機能など,特定の機能を各種OS(operating system)上で動作させるためのソフトウエア。OSの違いを意識せずに使用できるため,アプリケーションソフトとOSの中間にあるという意味でミドルウエアと呼ばれる。

ムーアの法則
● Moore's law
 LSIに集積可能なトランジスタの数は,約3年で4倍に増えるという技術開発スピードに関する経験則。米国インテル社の創始者の1人,ゴードン・ムーア(Gordon Moore)によって1965年に提唱された。この法則をMPU(Microprocessor Unit)に適用すれば,一つのMPUに集積される素子数は18カ月ごとに2倍になる。実際,インテル社は1985年に発表した「i386」の27万5000素子,1995年発表の「Pentium Pro」の550万素子に至るまで,この法則を実証するかのように集積密度を高めてきた。ムーアの法則は,コンピュータの処理能力や半導体の集積密度がどのように向上していくかを予測する場合にしばしば引用される。ただし最近では,1チップに集積できるトランジスタ数が非常に増えたことで,配線遅延,消費電力,製造コストなどが大きくなるという問題が現れており,ムーアの法則が破綻するのでは,といった意見も出てきている。

無機EL
● inorganic electroluminescence
 蛍光体を含む膜に交流高電界を加えたときに起きる電子の衝突励起による発光。発光体に硫化亜鉛(ZnS)などの無機物を使うことから無機ELという。
 →エレクトロルミネッセンス,有機EL

無線LAN
● wireless LAN
 電磁波(電波)や光(赤外線)などを利用したLAN(構内情報通信網)のこと。パソコンなどの端末に無線通信アダプタを接続することで,無線LANシステムを構成する。2.4Ghz帯や5GHz帯を使う無線LAN「IEEE802.11a/b/g」などがある。
 →LAN

面方位
● surface orientation
 シリコン単結晶ウェハなどで,表面部分が有する結晶方位。MOS ICでは(100),(111)などが使用される。

モノリシックIC
● monolithic integrated circuit
 半導体集積回路のこと。同一チップ上に構成されている集積回路。

[ヤ行]    topへ

有機EL
● organic electroluminescence
 電極から電子と正孔(ホール)を注入し,有機固体内部で再結合させて,発光させる電流注入型の発光ダイオード。発光体に有機材料を使う。LCD(液晶ディスプレイ)と比較して,自発光である,応答速度が速い,視野角が広いなどの利点がある。 
 →エレクトロルミネッセンス,無機EL

誘電体
● dielectrics
 ICでは絶縁体とほぼ同義語で使われる。ICで使われる代表的な誘電体は,シリコン酸化膜(SiO2),シリコン窒化膜(Si3N4)などがある。

誘電率
● permittivity, dielectric constant
 誘電体において,電界を加えたときの電束密度(D)を電界(E)で除した値。誘電率をεで表わすと,D=εEで表される。
 →比誘電率,誘電体

ユビキタス
● ubiquitous
 ユビキタスは「いたるところに存在する」(遍在)という意味。インターネットなどの情報ネットワークに,いつでも,どこからでもアクセスできる環境を指し,場所にとらわれない働き方や娯楽が実現できるようになる。「ユビキタス・コンピューティング」,「ユピキタス・ネットワーク社会」のようにも使われる。

[ラ行]    topへ

ラーニングカーブ
● learning curve
 習熟曲線ともいう。IC製造工程で累計生産量が拡大するにしたがってコストが減少するという経験則。あるいは,その傾向を示す曲線。

ライブラリ
● library
 基本論理ゲート(NOT,OR,NANDなど)や,これらを組み合わせてある規模にまとめた論理回路ブロック。あるいはフリップ・フロップなどの機能セルを,あらかじめ設計しICの構成要素部品として準備・資産化しておけば,ユーザは実現すべき機能や性能に応じて,これらを適宜選択し組み合わせて使用することで,必要なIC・LSIを設計できる。これらの設計・検証されたセルを登録・資産化した総体としてのデータベースをライブラリ,あるいはセルライブラリという。
 →IP

ラッチアップ
● latchup
 トランジスタがオフになっても電流が流れ続ける状態。トランジスタ飽和からカットオフに切り換わっても,回路のコレクタ電圧が供給電圧に復帰せず,コレクタ特性のアバランシェ領域に安定点をもつ。ラッチアップは,多くの集積回路に見られる4層pnpn構造で発生し,とくにCMOS回路では発生しやすい。CMOS回路は構造的に寄生npn/pnpバイポーラ(寄生サイリスタ)ができやすい。なんらかの外来パルス雑音がトリガとなって,このサイリスタがオン状態となり,電源からグランド(接地)に大電流が流れて回路が動作しなくなる。


ラムバスDRAM
● Rambus dynamic random access memory
 米Rambus社の提唱する高速DRAM。Direct Rambus DRAM(RDRAM)ともいう。最大1066MHzまでのクロック周波数で動作し,1ピンあたり最大1066Mビット/秒のデータ伝送速度を実現する。メモリ1チップあたり最高2.1Gバイト/秒のデータ伝送速度となる。

リードフレーム
● lead frame
 チップを乗せる金属製の枠のこと。主に樹脂モールドタイプのパッケージに使う。素材はFe-Ni系合金やCuなどを使用し,複数個のパターンを連結した形でエッチングまたはプレス加工して作る。

リコンフイギュラブル
● reconfigurable
 ユーザが要求に応じてシステム構成を変更できる(Programmable),あるいは使用中にダイナミックに変更できるようにしたシステム。

リソグラフィ
● lithography
 マスクに描かれた回路パターンをウェハ上に露光転写する工程または技術。ウェハに感光剤(レジスト)を塗布し,これにマスクのパターンを焼き付け,現像する。光の当たったところとそうでないところで,現像後にレジストが残る/残らないに分かれ,レジストの凹凸パターンとなる。この仕組からリソグラフィ(石版)と呼ばれる。このレジストパターンをたよりに,ウェハに微細な加工を加える。これには,エッチング(削り取る),デポジション(別の材料を堆積する),ドーピング(適当な不純物をしみ込ませる)がある。リソグラフィには,紫外線を使う光露光(フォトリソグラフィ)のほか,電子線露光,X線露光などがある。
 →フォトエッチング

リフロー
●reflow
 表面実装部品のはんだ付けの一方法。基板にあらかじめはんだペーストを塗布し,この上に表面実装部品を位置決めしてセットしておく。そして,基板ごと,高温の雰囲気を通過させることにより,塗布したはんだを溶解して部品と基板との電気的接続を行う方法。高温にするために赤外線を用いる場合,赤外線リフローとも呼ばれる。

裏面研磨
●back grind
 ICの前工程が完了したウェハの裏面を研磨して厚さ数十μm?200μm程度に薄くすること。目的は ?ICカードや積層チップのため,パッケージ厚を薄くする,?基板電位を確保する,ためである。

量子効果デバイス
●quantum effect device
 半導体デバイスを微細化してデバイス構造を電子の波長(数10nm程度)と同程度以下にすると,電子の波動性に由来する現象が起きる。これを利用したデバイス。
 →HEMT

レイアウト
●layout
 IC内に各種の回路ブロックを配置し,それらを相互に配線で接続する配置・配線すること。またはその工程をいう。チップレイアウトともいう。

レイアウト設計
●layout design
 ICチップ上に各種の回路ブロックを配置・配線すること。
 →CAD,ネットリスト

レイテンシ
●latency
 一般にコンピュータ・システム内,あるいはネットワークに接続されたデバイス同士が,データや信号を確実に受け渡しするために設けられる待ち合わせ時間。適切なレイテンシ時間が設定されていないと,データが正常に受け渡せない場合がある。

レティクル
●reticle
 ▽フォトマスク

露光
●exposure
 ▽リソグラフィ

ロジックIC
●logic integrated circuit
 数値計算,論理演算,比較・判断などの各種処理をメインの機能としてもつICの総称。論理ICともいう。

ロット
●lot
 IC製造工程においてプロセス・ステップの流れに沿って管理される単位。一般には同じ製造工程で作られる。

論理回路
●logic circuit
 “0”と“1”の2つの値に対して,論理演算を行い,結果を出力する回路。論理回路には論理積演算を行うAND回路,論理和演算を行うOR回路,論理否定演算を行うNOT回路の3つの基本回路がある。演算装置内にある加算器などの演算回路はこの3つの回路を組み合わせて作られている。
 →ロジックIC

論理合成
●logic synthesis
 ゲート・レベルの論理設計を自動的に行う技術。ハードウエア記述言語(HDL)で表現したRTL記述,真理値表,状態遷移記述,論理式などを入力すると,所望の半導体製造技術(プロセス・テクノロジ)の下で最適なゲート・レベル論理回路(ネットリスト)を自動生成する。
 →HDL,RTL,ネットリスト

論理シミュレーション
●logic simulation
 設計者が意図した通りに論理回路が動作するかどうか,機能とタイミングを検証する方法。狭義の意味では,ゲート・レベルで構成された回路記述の検証を指す。広義の意味では,さまざまな設計抽象度の高い設計データを用いたシステムレベルの検証も含まれる。

論理設計
●logic design
 IC開発で,機能設計に基づいて具体的な論理回路レベルで実現するための設計のこと。CADツールを多用した自動論理設計では,機能設計で得られたHDL(ハードウエア記述言語)やRTL(Register Transfer Level)の記述に基づいて,ゲート回路レベルの論理回路を設計する。論理システムを論理回路に変換する操作を論理合成ともいう。
 →論理合成

[ワ行]    topへ

ワイヤボンディング
●wire bonding
 ICチップ表面のボンディング・パッドとパッケージのリードを金線などで電気的に接続すること。


(事務局) 〒101−0062 東京都千代田区神田駿河台3-11 三井住友海上駿河台別館ビル3階
社団法人 電子情報技術産業協会 電子デバイス部
[電 話] 03-3518-6430  [FAX] 03-3295-8725
[URL]
http://www.jeita.or.jp/

(C) Copyright by the Japan Electronics and Information Technology Industries Association